西遊記(六)

この巻では、一行は女性ばかりからなる「女国」を通りかかるので、西遊記としては珍しく、愛と性と生殖の話が多く、子供向けのリライトではカットされているエピソードが続く。

まずは、河の水を飲んで三蔵と八戒が妊娠し、泉の水を得て堕胎する話がある。これに続くのが、女国のエピソードで、見目好くステータスも高い三蔵は女国の女王に一目で気に入られて、結婚して国王にと迫られる。悟空の計略で、祝言をあげるふりをして、通行手形にハンコを押させ、女王たちをだましてずらかる。女王は悲しそうで、手口は卑怯と言ってもよく、アエネアスとディドーを思わせる。

それに続くエピソードはさらにミソジニックで、大サソリが化けた妖怪で毒を放つ女妖怪が、三蔵をたらしこもうとするが成功せず、結局悟空たちに退治されるというエピソードである。さらにその次は、牛魔王という妖怪の正妻と妾がいがみあうという背景になっている。

このあたりは、女嫌いが特別激しい著者の筆になる部分なのかしら?