『錦絵医学民俗志』

必要があって、大阪在住の故・中野操が収集した医学史関連の錦絵・画像を翻刻した豪華本をチェックする。文献は、『錦絵医学民俗誌』中野操編著(東京:金原出版、1980)。出版当時の価格は30年前で六万八千円もしたが、いまはその半分以下の価格で古本市場に出ている。

錦絵は別に印刷されて台紙に張り付けられているという凝った造りになっている。内容のほうは、個人コレクションに個人コレクターが解説を付けている、言い換えると自分が知っていることを書いているというシンプルなつくりの本である。それでも、医学史関連の画像が多く集められていて、それを大きなサイズで見ることができるのはとても便利である。