『アリス・イン・ワンダーランド』


数日、無駄話が続きます。

出張の飛行機の中で、映画『アリス・イン・ワンダーランド』を観る。二冊の原作のアリス本に出てくるキャラクターを総出演させたもので、ディスニーによるファンタジー+アクション映画だと思えばいいのかもしれない。アリスは19歳になってくだらない結婚をさせられそうになっている。その結婚式の時に時計を持ったウサギが走っているのを見て、結婚の誓いをすっぽかして、うさぎを追いかけてうさぎ穴に落ち込むと、そこにワンダーランドが広がっている。そこでは悪い「赤の女王」が支配する専制国家になっており、皆がアリスを救世主として待ちわびている。アリスは大活劇の末に、魔法の剣を使って怪物ジャバウォッキーを退治するという筋になっている。

私はアリスものについて特に強い意見を持っているわけではない。(今から25年から30年前くらいに、いっぱしの知識人(気取り)はアリスについて一家言持つべしというような雰囲気があったことがあったような記憶がある。)けれども、この映画は多くのアリス・ファンを裏切ったのではないのかなと思う。うまく言えないけれども、原作に出てくる「抜けた」感じのキャラクターたちが、あまりにもストーリーに縛られすぎているというのかな。でも、もっとよくアリスを知っている人なら、原作との反響やパロディを見つけることができて楽しめたのかもしれないけれども。

アリスは私が知らない新人の女優さんで、ヴィクトリアンなドレス姿も、ジャバウォッキーと闘う時の鎧を着た姿も、どちらもよく似合って素敵だった。ジョニー・デップやヘレナ・ボナム=カーターらのベテランの「ぶっとんだ」演技はさすがだった。白の女王のアン・ハサウェイは優美な手つきと身のこなしが板についている感じだった。考えてみたら、この女優さんの作品は、『プリンセス・ダイアリー』『プラダを着た悪魔』と、すべて飛行機の中で観ている。これはもちろん私が映画のほとんどを飛行機の中で観ている悲しい人生を送っているということだけど、それだけではなくて、この女優さんについて何かを語っているのかな。語っているとしたら、それはポジティヴなことなのかな、それともネガティヴなことなのかな。