同じ雑誌から、博物館とアーカイヴについての論文に目を通す。文献は、Waterton, Claire, “Experimenting with the Archive: STS-ers as Analysts and Co-constructors of Databases and Other Archival Forms”, Science, Technology, & Human Value, 35(2010), 645-676.
歴史や自然史などにおいて何かを記録し整理し保存することは必須である。私自身も素人ながら、歴史資料をどうやって整理したらいいか、データベースをどう設計したらいいかで苦労している。その行為は、人文社会科学であれ科学にとって本質的であるのに、それがSTSの対象になったのは比較的あたらしく、2000年代に入ってからだという。この論文は、ロンドンの自然史博物館やオーストラリアのアボリジニー博物館などを中心に、記憶・アーカイヴ・データベースがどのように作られるかということを分析している。近年の博物館の展示は、社会理論に大きく影響されたものになっている、ということが一つの結論になっている。なにか、新しいアーカイヴを見つけてそれを整理するときには、STSの研究者に声をかけてみよう。