野村総一郎『うつ病の真実』

野村総一郎『うつ病の真実』(東京:日本評論社、2008)

これは、歴史におけるメランコリアの概念や、一般向けだけれども十分に立ち入ったDSM-IIIにおける変更などの細かい説明などを含んでいて、香山リカなどが書く「新型うつ病バッシング本」よりもずっと多面的で入門にいい。ギリシア悲劇の主人公の診断など、まあ、ふざけたことをしているのだけれども、これが、不思議に苛立たない。