無駄話。たまたま雑誌で、ずっと気になっていた画家の作品の展示がミュンヘンで開かれていることを知る。
19世紀の医学や科学の歴史の本でよく使われている図像であり、私が最初に見たのはL. Jordanova の Sexual Visions で使われているイラストだった。(同書は宇沢美子先生が翻訳している。)男性による医学/科学のまなざしと、その対象となる受動的な女性というシンプルな構図を強いインパクトで表わしている絵画で、とても強く記憶に残った。その次が、進化論関係の著作で使われていたサルの図像であって、とても人間的な表情をもたされていて、作家の名前を確かめたら、解剖学者と死体の絵を描いたのと同一の画家で、とても驚いた。
そのままの知識の状態でとどまっていたのが、今回、ミュンヘンでこの画家の展覧会をすることになったことを読んだ。プラハとウィーンで教育を受けた画家で、進化論や心霊主義・心理学などに凝り、それを絵画で表現しようとしていたという。特に、考古学・人類学的なコレクションを持ち、それらを絵画の中に取り入れていたこと、また、多種のサルを勝っていて、その絵画を描いたことなどを知る。
・・・なんておかしな人なんだ(笑)ドイツ語だけれども、たぶんこの展覧会と並行してカタログが発行されたので、とりあえず買ってみよう。
Gabriel Von Max: Malerstar, Darwinist, Spiritist