17世紀の風刺の主題としての医療


昔読んだ本が偶然出てきて、それにちょっと面白い版画があった。本は、Aydelotte, Frank, Elizabethan Rogues and Vagabonds (1913; London: Frank Cass & Co. Ltd., 1967). 1620年代近辺に作成された版画では、当時のさまざまな愚行が取り上げられて、それが医者によって治療されるという趣向で風刺されている。頭を取り出して何度も洗って元に戻してみたけれども、少しもよくならないから、炉で熱してみたら、頭から馬鹿げた考えが出てきた、という趣向である。BLが所蔵していて、To this grave doctor millions do resort. なるタイトルが付けられ、詳細な説明が付されている。宮廷人の頭がかまどの中に突っ込まれ、頭に詰まった都市の娯楽が燻し出されて、テニスや音楽やバックギャモンなどが煙とともに上昇している。それに続いて治療されようとしているのが、商人と流行服を着た女性である。意味はよくわからないけれども、女性はリスを連れている。左側では、男性が下剤をかけられ、愚かさを表すロバなどを排泄している。