20世紀の医学の歴史の一つの柱は国際化であり、WHOなどの国際的な機関が重要なプレイヤーになってきたことである。その「国際化」という現象を、計量的な方法で測って、新しい視座を出した論文である。文献は、Burnham, John C., “Transnational History of Medicine after 1950: Framing and Interrogation from Psychiatric Journals”, Medical History, 55(2011), 3-26.
科学者は、商人と同じように、境界を越えて思考を運ぶ行為者である。(ギャリソン)そこから出発して、国際的な情報と認識の伝達・経済という概念装置を20世紀の精神医学につかった研究である。具体的な資料は、その分野の学術論文の注で引用されている文献の言語を数えて、その時系列の変化を見るという手法である。