ダグラス・ノースの経路依存論

ダグラス・C・ノース『制度・制度変化・経済成果』竹下公視訳(京都:晃洋書房、1994)
経済学者のダグラス・ノースが考えた経路依存性 (path dependency) についての部分をメモしておく。ノーベル賞を取った経済学者の仕事だから、議論のコアはまったく理解できない部分が多いけれども、その結論の部分は、引用できるようになっておいて損はない。 

経路依存は、歴史が重要であることを意味する。われわれは、制度の漸進的な生成発をたどることなしに、現在の選択を理解することはできない。 ある社会の諸集団の交渉力は別の社会のそれとは明らかに異なるであろうから、各社会における限界的調整も同様に異なるであろう。さらに、異なる過去の歴史とその結果に関する不完全なフィードバックによって、行為者は異なる主観的モデルをもち、それゆえ異なる政策選択を行うであろう。 132-3.