ライヒと「オルゴン仮説」

Christopher Turner, Adventures in the Orgasmatron(2011)

1月4日のTLSで、フロイトの弟子でアメリカに行ったヴィルヘルム・ライヒの伝記が書評されていた。伝記の一つの中心は、ライヒの「オルゴン仮説」である。「オルゴン説」というのは、私は詳しくは知らないが、体内のオルゴンがなくなると性的不能を含むさまざまな病気になって、宇宙から飛んでいるオルゴンを集めて浴びると万病治癒であり回春であるという、精神分析学派の基準で言っても馬鹿げた仮説である。これが、なぜ、性の革命に向かって進んでいたアメリカの知識人たちに受け入れられたのだろうか。これは、きっとこの本を読まなければ分からないだろうけれども、この書評によれば、ターナーは20世紀に性が政治化されたことと関係があった。何よりも、性を「脱道徳化」して個人を解放しようとする強い動きがあったことが論じられている。

TLSの書評とアマゾンのサイトは以下のとおり。