大正の少年受刑者の夢

苅谷哲公「少年受刑者は如何なる夢を結ぶ乎」『変態心理』2巻7号(1918), 455-461.
著者は福岡監獄の教授主任とある。18歳未満の少年105名の夢を調査し、287件の夢を得た結果の分析である。多い夢をメモするだけにする。

放免されて家郷にいる―20
帰宅して親に叱られる―17
餅菓子をたくさん食う―6
活勉写真[ママ]を見る―7
蛇に追われる―5
火事にあう―6

一位も二位も家に帰る夢なのですか。囚人にとって帰郷の夢が多いのは避けがたいですし、「思い出のグリーングラス」がそういう歌でした。一方、蛇と火事の夢が断然多いことが、当時の恐怖の構造について何かの意味を見出したくなります。