地震とペスト―東ローマ帝国

Tsiamis, Costas, Effie Poulakou-Rebelakou, Spyros Marketos, “Earthquakes and Plague during Byzantine Times: Can Lessons from the Past Improve Epidemic Preparedness?”, Acta med-hist Adiat 2013; 11(1), 55-64.

ペストというと14世紀の黒死病にはじまって3世紀ほど続く流行が有名だが、その前の6世紀に始まる第一回のパンデミックである広範囲の流行も近年注目されて多くの研究が出ている。この論文は、その流行のビザンツ帝国に関して、地震のあとにペストがもたらされるというパタンを示した論文。ペストはもともとげっ歯類の間で常在している感染症であり、なんらかの理由でげっ歯類の生態系に影響が出ると何かがおきてヒトに感染する。表に示したように、ビザンツ帝国において大きな地震のあとで数か月から一年するとペストの流行があるというパタンがある。面白いから憶えておこう。

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