近世農村の天然痘の伝搬

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渡辺, 理絵. (2010). "近世農村社会における天然痘の伝播過程
――出羽国中津川郷を事例として――." 地理学評論 Series A 83(3): 248-269.

最上徳内 1790年に蝦夷が痘瘡の流行に際して、「伝移を恐コウし、家宅を捨て、深山に避て、流行が絶えてから故郷に戻る」さまを描いている。青木、須田は村落間の伝搬に一か月を要したことを書いている。小林は、日本本土と離島では流行の諸相が違うことを書いている。本土では周期的な流行の波があること。川口は、牛痘方と古来の民間信仰は対立せずに徐々に移行した、農村ではむしろ祈祷師や陰陽師が牛痘法の普及に貢献した。この論文は、出羽国中津川郷の医術習得者で「大肝煎」の小田切が、14村の罹患者、死亡者を日付付きで記入している。