鮭の燻製を食べるために BASIC を習ったウンベルト・エーコ

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Kafiristan - Wikipedia

 

週末の朝だから、午前中は少しゆっくりする。庭仕事をして、ウェブでどうでもいいことを知識として仕入れて、読まなくてもいい本を読む。今日は、アフガニスタンの一地方であるヌリスタン Nuristan で、かつては カフィリスタン Kafiristan と呼ばれていた地方について調べる。デンマークコペンハーゲンのアフリカン・アートのギャラリーから、このアフガニスタンのヌリスタン地域についての講演があるというウェブ上の招待状が来た。もちろん行かないけれども、いつもと違う不思議な玉突きに乗ってみた。

Kafiri というのは、「無信仰者」という意味で、これは当時の文脈だと、イスラム教を信じていないという意味であった。その地域に住む人々は、古いヒンドゥー教を信じており、大いに独立心があった人々であった。キプリングの短編「王になろうとした男」もここを舞台として設定されている。この短編が含まれている作品集がKindle で200円だったから買って読んでみた。インドという巨大で複雑な現象に巻き込まれた二人の男が、カフィリスタンに行って王になる話。面白かった。生き残って帰って来た一人は、最後に精神病院で死ぬ。

19世紀の末に、このヒンドゥー教の地域に、イスラム教徒たちが侵入して、彼らの宗教を徹底的に破壊し、聖職者たちを皆殺しにしたとのこと。それを祝して、ヌリスタン「啓かれたもの」と名前を変えた地域である。ヒンドゥー時代の遺跡や優れたアート作品は、多少は残っている。ただ、これはかなり最近だと思うが、博物館に入っていたものが、タリバンに再び破壊されたが、復興されたという。

ウィキペディアに、ウンベルト・エーコがこの地域の言葉にちょっと触れているという、どうでもいい無駄な知識が書いてあり、リンクされていたのでその記事を読んだら、これが面白かった。国際化されてダイバーシティな高級ホテルに泊まったエーコが繰り出す面白い話。ご一読くださいませ。