日本の鳥の巣図鑑

オーストラリアガマグチヨタカ - Wikipedia

 

鈴木, まもる. 日本の鳥の巣図鑑全259. 偕成社, 2011.

野鳥の会の会員誌で知った鳥の巣の愛好家の本。子供向けだけれども、きちんとした図鑑風の本である。イラストはもちろんしっかりしているし、おそらく実際に見て描かれたものばかりだと思う。鳥の巣の分類、鳥のサイズや卵やヒナの描写、面白いエピソードなども楽しい。確かに鳥の巣の吸引力がかなりアップした。野鳥の会が鳥の巣の情報をなるべく会員に知らせないようにしているのもよくわかる。

托卵のページが面白かった。ホトトギスカッコウなどの、他の鳥の巣に卵を産む鳥の話である。托卵する鳥は仮親の鳥を騙すという大目的があり、卵の色や形がやはり似ている。ホトトギスの深い茶色の卵、ツツドリの薄い茶色の卵、カッコウの黄色味がある地に模様が入っている卵、そしてジュウイチの緑の卵など、驚くほど仮親の鳥の卵に似ている。

もう一つ、巣を作らない鳥の話。ほとんどの鳥は立派な巣を作る。コチドリなどは河原に産みっぱなしのように見えるけれども、石で周りを囲むなどの小技は使っている。しかし、ヨタカは違う。地面に産みっぱなしであり、そこで卵を抱いて温める。これは、何もしないようだが、そうではないという。ヨタカは地面に似ており、雛も地面に似ている。だから地面にそのまま産むのが周りの景色に溶け込んでいいとのこと。何もしないように見えても、立派な子育てであるという。また、オーストラリアのオーストラリアガマグチヨタカは、親もヒナも木の枝にすごく似ていて、同じように巣を作らないとのこと。