『週刊医学界新聞』の精神科医療の特集

医学書院/週刊医学界新聞

 

『週刊医学界新聞』の3277号(2018/06/18) が精神科医療の特集で、熱心に読んだ記事が二つあった。一つが一面の座談会である「EBM時代の精神科医療」という特集で、副題として「ガイドラインと実臨床のギャップを埋める」がついている。科学的根拠に基づく医療で「一般的な患者」を念頭においた診療ガイドラインが作られている中、「個別性を持つ患者」を治療する精神科医療では、ガイドラインと個別性がどのように取られているかが主題である。「うつ病治療ガイドライン」と「統合失調症薬物治療ガイドライン」にかかわったお医者さんたちが出てくる。とても面白い。もう一つが、「精神科急性期の医師配置水準と治療成績の関連」という記事で、これは急性期と長期療養の対比を一つのベースにして戦前期日本の精神医療の利用を考えている私としては、大きなヒントになった。