医学書院/週刊医学界新聞(第3289号 2018年09月17日)
昨日の英語セミナーの後で、医学部の学生と話す機会があり、東京医科大学の話をしながら、日本の医療の将来はどうなるのだろうかという話になった。
日本の医師数は、人口比で言うと世界の先進国でもかなり少ないことで有名である。厚生労働省のデータでいうとこのようになる。
30か国のうち26位くらい。悲しくなるが、これだけ少ない医師の数であるにもかかわらず、平均寿命は長く、非常に優れたシステムだという議論も可能である。しかし、その医師たちの労働状態がかなり過酷であることも事実である。一人一人がものすごい労働量である。もちろん日本の病院医と開業医の違いなどの議論もあるが、医師の労働量については、医学史を研究していても、ひしひしと感じることが多い。
ここで、日本と比べて医師数がたいして多くないアメリカで、画像から診断する人工知能が積極的に開発されて導入されたというニュースを読んだ。診断のベースが視覚的な画像になったという点も面白いが、このようなAIが導入されると、日本で何がどうなるのだろう。私にはよくわからない。