世界の結核の現在

www.who.int

 

エコノミストのエクスプレスが結核だったので、WHO のサイトにも行ってみた。2018年のレポートが刊行されていた。

戦後の日本が結核を克服したエピソードはとても有名であるが、その死亡率の低下がなかなか継続せず、現在でも死亡が「中程度」であるという話をよく聞く。現在の日本人の健康パフォーマンスは国際的にみて上位の国家なのだが、結核の死亡が現在でも中程度というのが、私がまだきちんと分かっていない現象である。これはもちろん医学史研究者としてのなまけなのだが、もう一つの問題があまりにも異様であるせいであることが大きい。精神病院の病床数が、他のあらゆる国家を圧倒的に引き離しているという問題はとても大きな問題である。

話を現在の結核に戻すと、WHO が2018年の報告書を出している。全体としては結核の死者は減少しているが、その現象のペースが遅いという。一年間に160万人の死者、1000万人の罹患(この「罹患」の概念が難しかった!)。死者の数で言うと、アフリカ諸国が7割程度、インドが3割弱、中国が1割弱、インドネシア、フィリピンなどが多いこと。HIV/AIDS の患者や保菌者が結核を発病することなど。死亡率は2000年頃から多くの国で着実に減少しているけれども、どこも現象モードというわけではない。また、減少している国でも、根絶ペースではないのも事実で、結核を克服するペースがが弱まっているという印象がある。北朝鮮においてこの数年で死亡率が増加しているという、またよくわからない現象がある。

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The global bogeyman: tuberculosis

More people die from the disease than from AIDS and malaria combined. Last year the bacteria-borne scourge killed around 1.6m people and infected 10m. Yet tuberculosis does not attract attention or money proportionate to its lethality. Investments from low- and middle-income countries, accounting for 95% of all TB deaths, were $3.5bn below what was needed this year. The United Nations wants to fix that with its first-ever TB summit at its headquarters in New York today. Patients are in for a long haul: they need daily monitoring for up to six months to prevent a relapse. Antibiotic-resistant strains are emerging, too. A report published by the World Health Organisation this month shows that TB cases are falling at a slower rate than previously expected. Under-reporting and misdiagnosis are also common. The UN is quite right to call for “an urgent global response to a global epidemic”.