日本野鳥の会 Toriino (トリーノ)48号(2018年9月発行)

日本野鳥の会 : Toriino (トリーノ)

 

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表紙:田中一村「枇榔樹(びろうじゅ)の森に浅葱斑(あさぎまだら)蝶」

 

日本野鳥の会が季刊で出している Toriino はとても面白い。何度もこう書いていてくどいかもしれない(笑)今回も楽しい号だけれども、面白いのが表紙裏と裏表紙。表紙裏というのは、表紙の裏の、感じでいうと 2ページ目で、裏表紙というのは、最後の部分である。

表紙裏にあるのは、「御料鵜飼」を実施する「霞会館」というのが過激で静かな広告を出している。古事記にも記録がある古い仕事で、色々あったけれども明治維新の後に危機から救われ、宮内省の身分を与えられることになったこと。現在では年に8回の「御料鵜飼」が行われて皇室にアユをおさめ、2回は外交団を境遇するとのこと。野鳥の会の概念と、鵜を飼って訓練して天皇家への御料とする概念。この二つは日本でならばきっと成立してしまうのだろう。私は、13歳の頃からイルカとクジラを食べることに反対しているが、その本当の理由はオリビア・ニュートン・ジョンだからな(笑)

一方、裏表紙にあるのは、JAバンクの宣伝であって、野鳥の会と農民の基本的な対立というのはとても大きい。農民は古典的に鳥を捕食していた。今月の月刊誌でも、ハスを栽培する土地の防鳥網に絡まって死んでしまっていることを深く嘆く特集だった。それを何とかするために、JAバンクの広告をここに出すのか。よくわからない部分があるが、でも、野鳥の会の活動を見ていると、この10年か20年ほどで、明らかに良くなっていると思う。