1895年の香港における検死台の導入

The porcelain autopsy table and early post-mortem examinations in Hong Kong | HKMJ

 

f:id:akihitosuzuki:20180810144544j:plain

香港医学雑誌の短い論文。香港の病院にどのように死体を解剖する仕掛けが導入されたかを見た論文。もともとは中国医学では解剖や検死の行為がほとんど存在しない。病院としては、Alice Memorial Hospital と Government Civil Hospital という二つがあり、前者は検死台解剖をほとんどしていなかったが、後者がおこなったとのこと。1890年代のペストの流行のあとは、中国政府は死体から治療になる部分を切っているといううわさも広がった。もちろんそんなことは事実ではない。しかし、検死台が1895年に導入された。1920年代には、イギリスの病院の教授たちが、中国人の身体や脳を解剖して、ヨーロッパ人と比べようという優生学的なことを行っていたことは鮮明な事実である。

どうでもいい細かいこと。この検死台を19世紀末に制作したのは Armitage Excelsior という製陶メーカー。20世紀の末のイギリスに留学していた時代の洗面台などが急に記憶に帰って来ました。