マテリアルと文化と医療について

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LRBの書評。プリンストンのアンソニー・グラフトン先生が、ピエトロ・ベンボに関する研究書を2冊評論している。周辺の主題の研究状況を深く理解して、素晴らしい書評である。マテリアル・カルチャーの論文を準備していることもあって、熱心に読んだ。また、これは火山のエトナの場所 (locum) が重要だという議論もあって、なるほどと思う。近世ヨーロッパのその状況をチェックできる機能もある。先日お会いできたSachiko Kusukawa 先生の書物も触れられていた。

ベンボに初めて出会ったのは、大学院の川西先生の授業でカスティリオーネ『廷臣論』を読んだ時に登場する様子である。なんといっても括弧よかった。言葉だけでなく、身の回りの品物とその評価についても優れていたとのこと。本や古文書はもちろん、収納庫にはコインを、庭には珍奇な植物も集めており、パドヴァの医学校の植物園の Orto Botanico が設立されるより10年前だとのこと。