現在進行中の初期人類研究における科学革命

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近年の医学史の領域には、色々な系列の学問が急速に導入されている。私が「新しい医学史」と呼んだ歴史学、文学、社会学、人類学などはもはや古典になっている。新しいものは、過去の人体のDNAを分析して、その個人や共同体に関する数十万年単位で考えるという発想である。この方法を私はまったく把握していないし、おそらくそれをマスターした日本の医学史研究者はなかなか現れないと思う。しかし、その発見はものすごく重要である。もちろんネアンデルタール人ホモ・サピエンスの混血の問題でも重要であるし、移民の問題なのか伝達の問題なのかという文明の問題も重要である。

この David Reich の著作では医学史と疾病の問題が一つの重要な柱である。中央アジアで発達したヤムナ文化 (Yamnaya culture) が非常に重要であり、DNAでの重要性を論じられるとのこと。c,3,300-c.2,600 BCE の時期であること。黒海カスピ海の間であるとのこと。そして、Reich の著作での言及によれば、これがヨーロッパの黒死病のペストを考えるうえで重要だとのこと。この部分、少しお待ちください。議論を理解してから報告しますので(笑)