<ジャンル>と狂気の意義づけという視点

Huot, Sylvia Jean. Madness in Medieval French Literature: Identities Found and Lost. Oxford University Press, 2003.

中世フランス文学における狂気の表現を分析した書物。最初はルーティーンのチェックのつもりで開いたが、読み始めたらとても重要な視点で分析している。文学作品がジャンルになっているという主題で、次に書く論文の核と関係している。明日の午前中は薬、この本は夕刻に読んでみよう。

聖人伝とロマンスという二つのジャンルに出てくる狂気は、どちらに出るかによって狂気をどう描くかが大きく違っているという議論である。一方で聖人伝の狂気の意味付けがあり、もう一方でトリスタンのようなロマンスに出てくる狂気の意味付けがある。この二つは異なるだろうという組み立てである。色々と調べることが死ぬほど多い議論だが、もう少しかっちり理解しておこう。