イタリアン・バロック音楽の世界

静岡に「イタリアン・バロックの世界」がやってきて、17世紀に活躍したサラチーニという作曲家の歌を中心にしたコンサート。もちろん私は名前を聞いたこともないです(涙)歌詞もきちんと訳されている。男が女に愛を捧げる歌で、それがどのような意味であるかが、改行されながら訳されている。いずれもサラチーニが作曲した「可愛らしいお嬢さん」 Vezzosa Pargoletta という冒頭の歌、そして「心はひもでくくりつけられたらいい」 Lega, legami il core という後半の歌はこのようなものである。隔離と牢獄と苦痛とマゾヒズムがとても鮮明に出ていて、とてもとても面白かった。4人の演奏家で、一度一緒にお仕事をしたことがある福島康晴さんの素晴らしい歌を聴くことができて、とても嬉しかった。彼らのCDはこちらです。
「可愛らしいお嬢さん」
 
可愛らしいお嬢さん
その瞳を僕に向けて、矢を放っておくれ
甘い傷は僕に生きる喜びを与えるのだから
 
美しい僕の敵よ
君の瞳だけが僕の燃えさかる想いを満足させ
苦しみにご褒美をくれるのだ
 
何故君はそんなにも内気なんだい
不安なふりをしているの?
それとも、僕の心を苦しめたいだけ?
 
「心はひもでくくりつけられたらいい」
 
心はひもでくくりつけられたらいい
愛の神の武器を握りしめ
足かせ、なわ、鎖で苦しむがいい
 
それでも僕は平穏で、喜びを見いだす
 
僕の牢獄の扉はあまりにも美しすぎるから