京都の民家などの屋根に残っている「鐘馗さん」と呼ばれている瓦製の神様がある。もともとは中国の起源で、道教によって解釈されて、平安時代末期の国宝辟邪絵(へきじゃえ)にも描かれているとのこと。江戸時代の19世紀初めになると、滝沢馬琴が遠州から三州まで、魔除けとしてことごとくの人家の戸守りになっており、山伏が売ったのだろうとのこと。これは京都だが、ある売薬屋が屋根の鬼瓦を大きく作り、向かいの家の女房が恐怖の念を持って病気にかかったが、医者が鐘馗の像を彼女の家の屋根にこしらえさえると、女房の病気が全快したということ。これは、売薬屋の鬼瓦が強力で、魔物をあちこちにはじき、それが家の中に入ってしまうので、そのお守りとして入ってきた魔物を、鐘馗の像がはじいてくれるという話とのこと。魔物が、あちこちではじかれては走り出す世界になっているという感じだろうか。まるでピンボールのようで、これが本当だとしたら、面白いことがある
実はこの本を知らなかったし、それどころか、京都に鐘馗さんが数千体にわたって残っていることも知らなかった。うううむ。実は7月には京都に行くので、京都で鐘馗さんを見てみよう!