アスパラガスのこと

* 草川俊. 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版, 1992.
* 羽根田, 治. 野外毒本 : 被害実例から知る日本の危険生物. 山と渓谷社, 2014.
* Arber, Agnes Robertson. Herbals : Their Origin and Evolution : A Chapter in the History of Botany, 1470-1670. 3rd edition, Cambridge University Press, 1986. Cambridge Science Classics.
* Everett, Nicholas and Galen. The Alphabet of Galen : Pharmacy from Antiquity to the Middle Ages. University of Toronto Press, 2012.
* Gerard, John et al. Selections from the Herball, or, Generall Historie of Plantes : Containing the Discription, Place, Time, Names, Nature, & Vertues of All Sorts of Herbes for Meate, Medicine or Sweet-Smelling Use, Etc. Velluminous Press, 2008.
* Pliny. Complete Works of Pliny the Elder. Delphi Publishing, 2015.

 

少し自由な時間が取れたので、植物学辞典やマテリア・メディカを読んだ。今日はアスパラガスの日。

 

アスパラガスはとても好きな野菜である。昔の缶詰ホワイトアスパラガスは高価だがそれほど好きでなく、今のグリーンアスパラガスの方がずっと好きである。苦そうな風味、それぞれの部位で異なる硬さ、それから食べた後の自分の尿が独特の高い香りを持つこと。まさしく本当にガレノスそのものの薬材である植物である(笑)ラテン語の対訳を読むと、温かくすること、排尿させる力を持ち、硬化した部分を柔らかくできるということが書いてあり、四大性質や四大元素の概念で観察されている。しかし、種と根が薬となるといい、私は種を見たことがない。ジェラードの本のイラストを見るとたしかに先端に種となるものがあり、赤くなるとのこと。プリニウスによると栽培がかなり難しいとのこと。

草川によると、日本で最初に導入されたのは北海道であり、缶詰のホワイトアスパラガスをつくるために1923年に北海道の岩内町で栽培を始めた。薬とは全く無縁である1940年には2,000ヘクタールで栽培していたという。1980年には6,400 ヘクタール。この時期は北海道の全盛期のようだが、新しいウェブサイトをみると、北海道は一位ではあるが、収穫高では14%であり、長野の11%と佐賀の10%とかなり近い。全体で5,000ヘクタールを少し超えるくらいである。