NHK のニュースがよく熱中症の危機を叫んでいるが、私自身は熱中症や日射病や熱射病に罹らない、あるいは自分でそう思っていることもあって、生活の中で対応できていない。その中で面白い史実を見つけたのでメモ。タイトルはここから取っています。
「これらの疾患の予防は、その原因を去ることになる。すなわち上に立つ人たちはその部下のために過度の精神緊張あるいは精神の過労を与えぬよう仕事の制限を行い、十分に休養を与えるように心がける一方、孤独感、ホームシックに罹らぬよう、適当なる慰安設備を整えてやらねばならない。他方、個人個人においても、精神の過労を起こすような心配を避けるようにつとめ、仕事の時間中はこれに心を打ち込み、仕事時間の後は心を解放してスポーツや遊びで心の緊張を解き去り、正しい頑健な精神力を養成することに努め、日々の生活を楽しく愉快に過ごすよう心掛けねばならない。また適当な休暇、旅行、転地等の制度を設けて気分の転換をはかるとともに、避暑地をつくり、そこで精神と肉体の疲労を回復し、新たな気力と体力とを養うことは甚だ適切な方法である」
これは1945年に出版された小林宏志 and 服部敏. 西ニューギニアの衞生事情. vol. 4, 日本評論社. である。太平洋協會が出版した南太平洋叢書の一冊である。その一部をタイトルに入れたが、これが今日でも日本人が実践しなければならないことだと言われているから、それをメモした。「孤独感」「ホームシック」という単語まで使われていることが、少し驚く。
西ニューギニアというのは、世界で二番目に大きな島であるニューギニア島の西側である。当時はオランダの植民地であり、現在ではインドネシアの東端にあたる。東側は、もともとイギリスやドイツの植民地であったが、第一次世界大戦などの結果、当時はオーストラリアの領土となっていた。現在ではパプアニューギニアの西端となる。ちなみに、日本はこの旧オランダ領を占有した結果、オーストラリアと実際に戦闘をすることとなる。
ちなみに、この太平洋地域は、ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアというように大きく三つに分かれる。ミクロネシアは小さな島々ということで、2,000を超える小火山島がある。有名な島はアメリカ領のグアム島などである。メラネシアは黒い島々という意味で、原住民は黒人である。地理的にはニューギニアに始まり、ニュージーランドまで弧を描く。ポリネシアは多くの島々という意味である。島のサイズ自体は小さい。太平洋の東側を大きく占める地域である。