上高地と奈川渡ダム

上高地に行くまでの間に奈川渡ダムという大きなダムがある。自家用車で行けるぎりぎりの部分にある。これは東京電力揚水発電をしている大きなダムである。長野県だから60ヘルツの中部電力の領域であるが、そこでは東京電力の50ヘルツで作られ、東京地域に送るだけでなく、直近の地域である安曇などでは実は東京電力から買い、支払いは中部電力であるとのこと。名前についても面白いエピソードがある。奈川はもともと梓川の支流で、二つの川が合流するあたりを「奈川渡」という。これは「ながわど」と読み、読み方としてはわりと難しい。それが関係あるのかもしれないが、東京電力は「安曇ダム」というわりとよく知られている読み方をつけようとしたが、ダム化に伴って移住することになっていた住民たちがこれに抗議した。総称としては「安曇ダム」がいいが、たしかに安曇地方がダムになるわけではない。奈川渡ダムという名称が的確である。