粘液と痰・鼻水の関係

医療英会話で頻繁に出てくる用語が phlegm (「フレム」と g を落として読みます)。もちろんガレノスの四つの基本体液の一つ、日本語だと粘液と訳されている。冷たさと水っぽさを持ち、体質としては、怠惰と無関心を表している。体液であるから、もちろん全身を流れている。

一方で医療英会話では「粘液」という意味ではなくて、たしかに粘液だが、口や鼻から出てくる「痰」や「鼻水」の意味である。Is the phlegm foul-smelling? Is the blood in your phlegm bright red? などはいずれも「痰」の意味である。同じように粘液だからという理由で便をさしたいときには、stools である。Is the blood in your stools bright red? という。

これは歴史的に移行したというよりも、もともとフレムを観察するときには痰や鼻水だったからだろうと言われている。血液を考えると、これはもちろん全身を流れている。それに対して、フレムを血液なしに観察できるといえば、それは痰や鼻水であるという局所的なアプローチでもある。