マルコ・ポーロの旅行記と日本の人肉食

今学期は身体の歴史の授業で、予習をしていると旅行記をあれこれと読むことが多い。先日はマルコ・ポーロ旅行記を読んだ。

マルコ・ポーロヴェニス出身の商人で、クブラ・カーンが中国に呼び、その途上の旅行記となっている。クブラ・カーンはモンゴルの元帝国の皇帝で、当時はモンゴル、中国はもちろん、かなりの範囲を支配していた。13世紀のヴェニスはもちろん立派な港街であったが、旅行途上にある、イスラム圏、インド、中国の絢爛豪華さと較べると、やはり向こうの方が格が上だったのだろう。特にクブラ・カーンが夏の時期に涼しさと静かさを求めて移動した Xanadu は、アヘンを吸ったコールリッジが未完の詩として書いた。それを知って読んでみると、たしかにアヘンの効力と中国へのあこがれを感じることができる。

もう一つ有名なのが日本 Zipangu の記述である。それまで日本の存在を知らなかったヨーロッパに極東の島国を紹介したことで有名である。私が読んだ版だと、第三部の2章、3章、そして4章の前半で日本について書いている。章立てと内容がうまく合致しているようには感じないが、最初が日本の黄金や真珠などに基づく豊かさ、元寇における侵略の撃退、そして日本の宗教の愚かさと日本人による人肉食である。人肉食は、敵を捕虜として捕らえ、身代金が支払われない場合には、自分の家族や親族を集めて、その敵を殺し、調理して、食べるとのこと。その前では宗教の愚かさが批判され、なぜこんなことをするのかと尋ねられると、先祖がやっていたからと答えられるとのこと。正直言って、私の愚行ととても似ている(笑)先祖がやっているからとは答えないが、自分の習慣だと言い訳をしながら蕎麦屋に行くのはやはり愚かなのだろう。うううむ。

ただ、人肉食については、西洋でも東洋でもミイラの人肉や死刑囚の人肉など、いざというところで人気があったことも覚えておく。