年の瀬が近づいた。イギリスの雑誌はクリスマスや新年にちなんだ楽しい製品を売っている。その中で、王立園芸協会から久しぶりに園芸日誌を買った。その日にした庭の仕事を記録しておく日誌。見開きすると片側にその週の日程、反対側には植物のイラストがある。2020年は、これに記入できるような一年にしよう。
今年使われているのは、20世紀に会員が寄付した「日本の植物の描画 Plantae Japonica Icones」という描画の記録。表紙はその中の一枚。たしかに東洋風だが、「もしかしたら日本ではなく中国風」と思う。こんな偉そうなことを書くのは、もちろん日記の冒頭にこのコレクションがRHSにおさまった経緯などが書かれている。やはり19世紀前半の中国の絵師ではないかとのこと。非常に美しい。とくに美しい瞬間の花の傍らに、枯れてしまっている葉の様子を書き添えるあたりが、中国絵画の洗練をあらわしているのかな。