リュファン『永遠なるカミーノ』

ジャン=クリストフ・リュファン『永遠なるカミーノ』今野貴和人訳(東京:春風社、2020) 
 
ものすごく面白い巡礼記旅行記だった。実佳の同僚の今野先生の訳ということもあって、翻訳が非常に上手であるということもあるのだろう。フランスの小説家リュファンが、スペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩く巡礼記である。リュファンの年齢が今の私と同じくらいということもあって、一つ一つの章がとても面白い。夕食の前の時間に読み、実佳と色々な話をしたり、朗読したりすることができる小説だった。
 
もしかしたら、リュファンが医師であり歴史家でもあるという側面も私を楽しませているのかもしれない。そんな事情もあって、フランスのルネサンス宗教改革の時代に設定された歴史小説も英訳されていたので、それを買ってみた。原題は 「大きい心臓」を意味するLe grand coeur。この英訳のタイトルは 「夢の作り手」を意味する The Dream Maker.  心臓と夢と医学と歴史。この組み合わせは何だろう(笑)