今週の金曜日の医療史の歴史は Pharmacology の近現代史。そこで使う枠組みの一つが M. Weatherall, In Search of a Cure: A History of Pharmaceutical Discovery (Oxford: Oxford University Press, 1990). 大学院生向けの概論なので、英語で講義するのは多少難しいが、非常に深く的確である。ことに、植物の名前、学名、化学名、臨床や公衆衛生の領域での説明を英語で行うのは、かなりエネルギーを使う。でも、この書物の説明の仕方は素晴らしく、これで説明することにする。
この書物では一段落くらいしか説明されていないが、Waldemar Haffkine (1860-1930) という細菌学者がいて、彼が抗菌剤の1880年代に登場する。もともとウクライナのオデッサ出身のユダヤ人で、ロシアによる苛烈な差別をのがれてフランスはパリのパストゥール研究所にやってきた。似たような半分ユダヤ人という経歴の Elie Metchnikoff も同じようにパストゥール研究所にやってきた。そこからコレラとペストが大流行しているインドに行き、血清療法を二つの病気に関して開発をする。一方で、ドイツでは、19世紀には化学企業が発展して、1890年代にはジフテリアがベーリングや北里とともに開発される。
もう一つ右の列であるtransmitter、あるいは neurotransmitter では、クラーレやニコチンが開発されるとのこと、1900年代、1910年代にイギリスの製薬産業が発展するなかで発展したことなどが書かれている。


