音楽と精神病の治療


 nietzsche_rimbaudさんのレンブラントにインスパイアされて、今日は画像の紹介題です。 http://blogs.yahoo.co.jp/nietzsche_rimbaud/37025600.html

 ずっと古くから音楽が精神病の治療に用いられたことは疑いない。サンダー・ギルマン (Sander Gilman )という図像の医学史・身体史のパイオニアがいて、日本でも翻訳がたくさんある人気がある医学史家の初期の本に、Seeing the Insane という書物がある。彼によれは、図像学的証拠は、精神病の二つのカテゴリーのうち狂乱するマニアには悪魔祓いが、沈鬱するメランコリアには音楽療法というように、異なった治療法が用いられたという。説明は色々ある。プラトンは、母親が泣いている子供をゆすぶって子守唄を唄ってあやすように、精神病の患者も音楽とゆすぶりの運動で癒されるのだと言っている。聖書は以下のように言っている。

「主の霊はサウルから離れ、主から来る悪霊が彼をさいなむようになった。サウルの家臣はサウルに勧めた。『あなたをさいなむのは神からの悪霊でしょう。王様、御前に仕えるこの僕どもにお命じになり、竪琴を上手に奏でる者を探させてください。神からの悪霊が王様を襲うとき、おそばで彼の奏でる竪琴が王様のご気分を良くするでしょう。』」(サムエル記上 16.15-18)

二つのサウルとダヴィデの画像はともに14世紀の写本から。バイオリンを奏でる画像は13世紀のアリストテレス「夢について」の写本より。主にギルマンの書物から採った。