石塚久郎先生監訳『医療短編小説集』を頂きました!

石塚久郎先生が監訳をされた『医療短編小説集』を頂きました!19世紀から20世紀にかけての英文学の著名な作家の<医療>に関する短編集です。しばらく前には<病>に関する短編集である『病短編小説集』を監修され、それに次ぐ<医療>を主題にした短編集です。

もっとも感嘆したことは、掲載された全ての短編が、私が実際に読んだことがないことです。そして、その短編集に、石塚先生が50ページに及ぶ本格的な解説をつけています。私であっても、掲載されている短編が十分に理解できると思います。また、実際に一つの作品を読んでみたのですが、日本語で読んでも医療者や患者が色々と考えるすぐれたものばかりです。英文学者と朗読ができる方が力を合わせると、病院やリハビリなどに人文学の影響を与えることができますね。

Medical Humanity 医療人文学にご興味がある方、『病短編小説集』とともに『医療短編小説集』をお読みください。また、石塚先生が、もう一冊の短編集も企画を進められているとのこと。医学と文学が力を合わせる拠点が作られていますね。 

 

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石塚先生監訳の第二弾です!

 

小川公代先生と実佳が共編した論文集 Johnson in Japan が刊行されました!

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ジョンソン協会が軸になって英語論文集が出版されました!

小川公代先生と実佳が共同編集をして Johnson in Japan という論文集が刊行されました! ジョンソン協会から10本の論文です。さまざまな意味でのヒントを持っています。大学図書館に購入をお願いし、ぜひご覧ください。

医学史と社会の対話 2020 オンラインセミナー Part II です!

「医学史と社会の対話」の秋学期の企画です。オンライン・セミナー 2020 Part II で、感染症の歴史研究の最前線に立つ3人の研究者を講師に迎え、それぞれの研究のとりくみの中から、最新の知見をお話しいただきます。10月10日が長崎大学山本太郎先生、11月14日が青山学院大学の飯島渉先生、12月5日が東京都立大学の詫摩佳代先生です。ぜひお出で下さい! 

 

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オンラインセミナー Part 2 になります! 

 

ジョージ・マカ-リ『心の革命』が訳されました!

2008年に出版されたジョージ・マカーリ先生の Revolution in Mind: The Creation of Psychoanalysis (2008)という研究。原著は、フロイトと西欧と北米の 文化と社会と個人の主体性に関する最も重要な著作で、2008年に出版され、嵐のような受賞がありました。それを遠藤不比人先生が的確に翻訳し、みすず書房から刊行しました。原著は600ページを超す名著で大著、翻訳は800ページに迫る傑作です。原著に数多くの学術賞が与えられましたが、遠藤先生の名訳にも何らかの翻訳賞が与えられると素晴らしいと思います。

 

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遠藤先生の名訳。おめでとうございます! 

 

ヘルミーナの魔界(笑)

www.gutenberg.org

 

Dunn, Marilyn Ruth. The Emergence of Monasticism: From the Desert Fathers to the Early Middle Ages. Blackwell Pub., 2003.

 

先日松崎さんがコメントしてくださり、ベネディクトゥスの規則を引用してくださいました。仰る通りです。

 

あと少し説明すると、2003年に出たマリリン・ダン先生の非常に優れた書物の 126ページです。イタリアのベネディクトゥスの規則を論じた章で、 Diet という見出しが入っている部分です。修道士がどれだけ食べていいかを論じている部分です。料理を2皿か3皿、パンを一日1パウンド、そして飲んでいいワインを一日1ヘルミーナと紹介しています。ここでヘルミーナの部分にこのように書いています。

 

Each monk is allowed a pound of bread a day and a hermina of wine, probably about three-quarters of a litre of wine, although the use of alcohol is conceded only reluctantly.

 

ここでダン先生は1ヘルミーナを750ml と解釈している。この部分が分からないのです。ヘルミーナは色々な枠組みがあるようですが、基本的に1パウンドの半分くらいだと思います。だから250ml くらい。ダン先生の解釈の1/3くらいです。調べると、色々な人が色々なことを言っています。

 

正直に言うと、ヘルミーナという概念がまだ分かっていないのです。もしかしたら初めて見たのかもしれない。瀉血をヘルミーナで数えないので、そこがまだわかっていないのです。

修道士が飲むワインの量

ヨーロッパの病院を支えた強力な柱はキリスト教であり、その中でも修道院という施設が重要である。修道院の一つのメリットは、いつでも機能しているからだろう。疾病でいうとペストのようなもので、数か月の有事があって、その短い期間のために緊急にオープンさせる施設とは異なっている。むしろ、ハンセン病のような慢性型の感染症や、精神疾患のように長期型の疾病にケアを行える空間を作ることができる。新約聖書福音書に登場するイエスの行動もハンセン病精神疾患を対象にすることが多いと感じている。

その関係もあって、初期の時期にあたる古代・初期中世の修道院制度をコンパクトに論じた素晴しい本を読んでいるうちに、修道士が飲むワインの量が書いてある場面があった。これは、エジプトに修道院を設立したパコミアス (Pachomius, c.292-348 AD) や、イタリアのモンテ・カッシーノ修道院を設立したベネディクト (Benedict of Nursia, c.480-c.543) などの「生活規則」を見ると、彼らに与えられた食事がわかるとのこと。健康な修道士は肉を原則食べないし、食事は同じものを食べるという規則はあるが、わりと食事はいい。一日二回の食事、それぞれ、二種類の料理、果物など、パン、ワイン。パンは1パウンドというから450グラムくらい。ワインが一日に1ヘミネ (hemine)と書かれている。ヘミネを普通に計算すると約250ml であるが、偉い学者がおそらく約750mlの意味だろうと書いている。しらべてみたらこの解釈が多いが、 500 ml と解釈する人もいる。

一日のワインのこの部分の差は非常に大きい。私にとってはこれは混沌としている世界だが、なぜか教えて欲しい。

ヨコハマトリエンナーレと飯山由貴さんの展示

 
昨日は横浜のヨコハマトリエンナーレに行って、主に飯山由貴さんの展示を拝見に行った。作品は、精神医療に関するものが多く、妹さんを主人公にしたドキュメンタリー、精神医療の症例誌を読むと何が分かるのかというビデオなどがとても良かった。もう一つ、新しい方向であるが、在日朝鮮人の生活を色々な手法で再現した作品も面白かった。
 
それ以外にも、面白い作品がたくさんあった。飯山さんもそのような方向だが、環境に関する作品が多かった。covid-19 に関する色鮮やかな作品や、アメリカで広大な土地に捨てられている放射線物質に関連する廃棄物の航空写真のビデオなど、とても面白かった。