Entries from 2005-06-01 to 1 month
医学生の講義ノートというジャンルの資料がある。PhDを書いたときには、このジャンルの資料をだいぶ読んだ。このジャンルの資料は日本にもたくさんあるらしい。昨日参加した学会でも、明治期の「研修医」のノートが紹介されていて、とても面白かった。 今日…
医学理論・医療現場の組織化が、病院の建築・設計に与えた影響を論じた論文を読む。 個人的な話をさせてもらうと、建築史と医学史のクロスオーバーは、いつか使えるようになってみたい分析視角の一つである。サンドラ・カヴァロのバロック期イタリアの慈善病…
パリの下水道の表象を論じた研究書を読む。 パリの下水道。公衆衛生と都市計画の勝利の象徴であり、『レ・ミゼラブル』の重要なエピソードの舞台である。この巨大な都市設備とそこで働く労働者は、当時の人々の想像力を掻き立てた。その歴史が書かれることは…
19世紀後半のアメリカの黄熱病対策を研究した書物を読む。 同じ著者がマラリアについて書いた優れた書物を読んでいて期待していたが、その期待にたがわない高い水準の研究書だった。病原体も感染経路も分かっていない状態で、さまざまなアクターの利害のせめ…