Entries from 2005-10-01 to 1 month

更新が滞っています

ここしばらく、更新が滞っています。 せっかく訪問してくださる方、どうもごめんなさい。 この数日、修羅場が続いていますが、明日の夜には峠を越えると思います。

フランスの植民地精神医療

北アフリカのフランス植民地における精神医療についての論文を読む。 植民地精神医療ほど、ヨーロッパの「文明化の使命」にあてはまりが良い分野はないだろう。植民地では(ヨーロッパでもそうだが)、精神病患者は大概鎖につながれていたり、小屋や牢屋の類…

ハエと細菌学

細菌学によるハエのスティグマ化(?)についての論文を読む。 先週と先々週の授業で細菌学革命の話をした。パストゥール、コッホ、血清療法などの一通りを教えたあと、やはり革命以前の衛生学と、細菌学の根本的な対立の話をした。「革命」の断絶よりも連続…

科学の地理学

科学の地理学を論じた書物を読む。 科学の大部分は、大声では言わないにせよ、普遍的な学問だと自認している。科学的な法則は世界中のどこにおいても妥当するはずである。だとすれば、科学が営まれる場所というのは、科学の本質にとって、せいぜい二次的な意…

植民地医学

再びマーク・ハリソンである。今回は Public Health in British India である。 授業の準備と、日本の疾病史の準備の都合で、19-20世紀の植民地医療の本も読み出している。近代日本疾病史・医療史という主題は、川上武らの優れた研究がある。『日本科学技術…