Entries from 2019-07-01 to 1 month
Enloe, Cynthia. Does Khaki Become You? (1983) 昭和戦前期の精神医療が、警察や社会の影響のもとで機能した側面に、売春の影響という非常に大きな領域がある。実際、症例誌を見ていても、男性が買春から発達させた精神疾患となった客は数割はいるし、売春…
ロンドンに行っていた時期に気がついたけれど、先週の木曜に二十四節気の大暑が来ました。岡田『アジアの暦』も手元にはなかったし、クラウドで読むことが出来ると、便利だなと思います。 大暑は立夏から始まる夏の六節気の最後。冬が大寒で終わるのと同じよ…
ロンドンに行っていた時期に気がついたけれど、先週の木曜に二十四節気の大暑が来ました。岡田『アジアの暦』も手元にはなかったし、クラウドで読むことが出来ると、便利だなと思います。 大暑は立夏から始まる夏の六節気の最後。冬が大寒で終わるのと同じよ…
www.mitsui-museum.jp www.nhk-p.co.jp 『芸術新潮』の最新号が日本のゆるかわの特集である。 直接的な背景にあるのが三井記念美術館の「日本の素朴絵ーゆるい・かわいい・たのしい美術」である。これらの作品は個人的には好きでも嫌いでもないが、めくって…
家で Gardens を読んでいたら、Hypericum の特集があった。日本語でいうとオトギリソウにあたる。黄色の鮮やかな色だが、西洋でも日本でもいずれもかなり強力な薬効があるとされている。以下は日本大百科全書からの引用。ジェラードによると、セント・ジョン…
帰りの飛行機では積み上げている仕事がない状態だったので、映画を観たり、うとうとしたり、目標がない静かな時間だった。映画は『ロビン・フッド』『アリータ:バトル・エンジェル』そして『ザ・キッド』と三つ観た。中世、未来、そしてアメリカの19世紀末…
吉田金彦が編集した『語源辞典』の動物編と植物編が合計で二冊来た。特に植物に関しては薬と関係が深いので少しめくって、面白い項目をメモ。 「茶」。これはクサカンムリに「余」がくる。「余」によって、緊張をといてからだをのばす効果があると考えられて…
イギリスのチェーン店で回転寿司とカツとカレーみたいなものが融合した日本料理店がある。帰国すると前に空港で食べてみた。まあ幸せである。 www.just-eat.co.uk
www.oed.com オクスフォードの今日の単語。ジャクリーン・ケネディのサングラス、あるいはジャクリーン・ケネディ・オナシスのサングラスを、ジャッキー・O のサングラスという。英語では Jackei O である。なぜジャッキー・オナシスのサングラスと言わない…
publicdomainreview.org ロンドンでラテンアメリカの研究者たちと会って色々な話をしていることもあって、マイク・ジェイ先生がハヴロック・エリスとペヨーテやメスカリンの利用について書いている文章を読んだ。ラテンアメリカの長い連続と、イギリスにやフ…
www.rct.uk www.royalacademy.org.uk ロンドンで色々と沢山仕事があって忙しいけれども、午前中に時々展覧会に行っている。バッキンガム宮殿の王立コレクションで レオナルド展が開かれており、RAでは恒例の夏の展覧会と、シュエルフベックと読むのだろうか…
daily.jstor.org 宮脇昭という偉大な植物学者がいる。日本語のウィキペディアでも記事になっているが、英語のWikipediaでMiyawaki Akira を検索すると、日本語記事の5倍くらいの詳細な記事である。日本語のサイエンス・コミュニケーションの教育の弱さですね…
www.atlasobscura.com Atlas Obscure というサイトがあり、学者たちが読んで楽しい記事を紹介してくれる。その中でも数年に一度くらいのとても面白い記事が、イギリスの女性生物学者が、戦後の日本の海苔産業を壊滅から救ったことである。彼女はキャサリン・…
ディズニー映画の『ダンボ』の実写版を観た。私は観たことがないが、古いアニメーションの映画はもともとは1941年に公開、日本では10年以上遅れて1954年に公開とのこと。映画が日本では違うものだったのだろうか。新しい実写の『ダンボ』では、もちろんダン…
ローマの泉であるトレヴィの泉。ローマの街は理論的には素晴らしいが、そこで30年ほど前にパスポートを盗まれたという大事件があり、今でも多少の難しさがある街である。その泉が小銭を投げ込む慣習があり、一年に150万ユーロ、1億5千万円以上が集められると…
イランの勢力地図。 エコノミストの日本の参院選の結果の報道はさらりとしていた。それよりも面白かったのがイランの勢力地図。こういう図版を作れると良いのですが。
貝原益軒 and 松田道雄. 貝原益軒. vol. 14, 中央公論社, 1969. 日本の名著. 松田道雄という医師であり、深い洞察があり、未来のあるべき姿を唱え、それを確実に実行する力がある評論家がいた。1967年に岩波書店から刊行された『育児の百科』は、とても優れ…
体液論の議論は、35年以上勉強していることもあって、少しずつマスターできている。分からない部分がある場合には、腰を下ろして色々と調べると、かなりの部分が分かる。 数日前の OED で felliflous という形容詞が登場して、これを読むと黄胆汁 yellow bil…
https://www.tate.org.uk/art/artists/ithell-colquhoun-931 エコノミスト・エスプレッソがしばらく前に形式を少し変えた。今日の大ニュースと、研究に基づいた記事が出る順番が変わったという程度で、確かにこちらのほうが便利である。今日は土曜日だけれど…
草川昇. 語源辞典 名詞編. 東京堂出版, 2000. 医学史における日本語とドイツ語の混合について論文を一本書いてみようと思っている。王子脳病院のモノグラフの後に仕上げる予定になっている。自分が何も知らないことを一から勉強するのは独特の楽しさがある。…
Chen, Shiyuan b ca and Richard E. Strassberg. Wandering Spirits: Chen Shiyuan's Encyclopedia of Dreams. University of California Press, 2008. A Philip E. Lilienthal Book. 新しい領域に入ると、その領域の英語が上達しなければならない。いま夢に…
私の同僚で江戸時代の国文学を研究しておられる津田真弓先生。機械(マシン)と を通じて江戸時代のくずし字を学ぶ実験授業をされます。慶應の文書コレクションの中にAIを導入する方向の試みです。9月と10月の2回の土曜日に実験授業が行われます。30名で無料…
www.bbc.com アフリカのエボラ流行が大きなニュース。BBCの記事を読んで、内乱の戦地であることも分かった。感染症と戦争が重なると、複雑で、難しさが非常に高い状況になる。実際、コンゴとルワンダの境界にあるゴマという街の住人達は、エボラと内乱の双方…
library.harvard.edu 大学図書館のデジタル化。ハーバードで600万件のアイテムがデジタル化されたとのこと。トップページのアイテムの一つが、花を生ける日本女性。 生け花。歓迎されているのですね(笑)
私の愛読書の一つである藤原新也『東京漂流』。文庫本の冒頭は「リカちゃん納経」という作品である。おそらく、宮崎勤の殺人事件で開始した平成元年に、銀座の博品館の「リカちゃんコーナー」に行って、宮崎の世界とリカちゃんの世界を対置する構図である。…
Burnett, John. Useful Toil: Autobiographies of Working People from the 1820s to the 1920s. Penguin Books, 1977. Pelican Books. 20世紀の末は、思想史の考え方と民衆史・社会史の考え方が、いずれも大きな波を作っていた時期であった。後者の流れを作…
西郷信綱. 古代人と夢. vol. 13, 平凡社, 1999. 平凡社選書. 河東仁. 日本の夢信仰 : 宗教学から見た日本精神史. 玉川大学出版部, 2002. 劉文英 and 邦弘 湯浅. 中国の夢判断. 東方書店, 1997. 夢について、これまでの研究の短いパラグラフを書くために古典…
週刊医学界新聞の楽しいコーナーの医学と語源。今回は幻覚と錯覚のとても面白い比較。 幻覚は刺激がないのに知覚を生じるもの。幻視・幻聴が多い。幻聴の中では、音楽性の幻聴が有名であり、側頭葉や「橋」の脳卒中の後に発生する。有名であると書いているの…
加納喜光. 中国医学の誕生. vol. 2, 東京大学出版会, 1987. 東洋叢書. 中国医学を少しずつ勉強している。学術的な講演では役に立たないけれども、背景の一つとして知っておくといい。 加納先生は中国医学のテキストを数多く読んでおり、西欧医学やインドの医…
細川涼一. 逸脱の日本中世. 筑摩書房, 2000. ちくま学芸文庫. 世阿弥、水野聡. 風姿花伝. PHP研究所, 2016. 日本の精神医学の社会史を考えるときに、複数の力が同時に存在して近代と現代の精神医療が作り上げられたと考えることがよい。精神医療を供給する医…