Entries from 2009-03-01 to 1 month
昨日の本からもうひとつ無駄話。これは激しく恥じ入った部分。著者は「です」「ます」こそ「丁寧語」として敬語そのものだと主張していて、面白く読んだ。 そのついでに、「「です」は、動詞・形容詞・助動詞にはくっつけないようにしましょう。」と書いてい…
出張の移動中に読んだ雑駁な読書の無駄話。萩野貞樹『ほんとうの敬語』PHP新書から。私も、現代人のごたぶんにもれず、敬語がきちんと使えない。 ネット上で「敬語テスト」の類をやってみると、たいてい惨めな結果になって、自分がどんなにみっともない言葉…
だいぶ前に出題して、そのままになっていた「ディーテイルズ」No.13の正解です。 暗闇にただようくらげのようなのは、ルーカス・クラナッハの「ヴィーナス」の、ヴィーナスがまとう薄物で透明のヴェールの一部でした。 驚くべきことにこの難問に正解がいまし…
出張のときの雑駁な読書ノート。村上春樹の『国境の南、太陽の西』。講談社文庫に入っている。不安と空虚を蔵して生きる都会のヤッピー、「ハジメ君」が主人公。妻の父に出資してもらって青山に開いた「ジャズを流す上品なバー」を経営して成功させて、アル…
必要があって、ベーリングの伝記をチェックする。文献は、Linton, Derek S., Emil von Behring: Infectious Disease, Immunology, Serum Therapy (Philadelphia: American Philosophical Society, 2005). 本来、もっと大事なことが書いてある本だけれども、…
必要があって、日本の心理学の通史をチェックする。文献は、佐藤達哉・溝口元編著『通史 日本の心理学』(京都:北大路書房、1997)日本における心理学の歴史研究を「トラック(軌道)に乗せた」一冊である。ある学問分野が成長する前には、こういった書物が…
マルグリット・デュラスには、フランス領インドシナで過ごした少女時代のことを自伝的に綴った作品『愛人』がある。今から15年くらい前に映画化もされて、裸の少女の後姿の写真を使ったポスターがロンドンの街角中に貼られていて、目のやり場に困った記憶が…
この数日、無駄話が多いけど、今日も無駄話。新国立劇場でワーグナー『ニーベルングの指輪』の序夜「ラインの黄金」を観る。いわゆる「トーキョー・リング」の2サイクル目の公演で、何年か前の最初の公演のときには、『ラインの黄金』だけ見逃した。全体の…
必要があって、カントローヴィッチの『王の二つの身体』の第七章を読み直す。エルンスト・H・カントローヴィチ『王の二つの身体 中世政治神学研究』小林公訳・上下(東京:ちくま学芸文庫、2003)これまで私が書いた論文の中で、医学思想と政治思想の関係に…
必要があって、産業疲労の生理学についての論文を読む。文献は、Gillespie, Richard, “Industrial Fatigue and the Discipline of Physiology”, in G.L. Geison ed., Physiology in the American Context, 1850-1940 (American Physiological Society, 1987),…
ちょっと記憶に残る絵画で、医師を主人公にしたものがあったので。 描いたのは、オーストリアの画家・版画家で美術教授であったイーヴォ・ザリガー(と読むのだろうか? スペルはIvo Saliger、生没年は 1894-1987) ケース・ウェスタン予備役大学(というのだ…
出張に持っていったカレル・チャペックの『山椒魚戦争』を読む。栗栖継訳の岩波文庫。知性を持つサンショウウオが熱帯の海で見つかって、それを水中工事の労働力として使う会社が現れる。サンショウウオは進化して知性を獲得し、数が増えて世界中の海に住み…
映画をもう一本観た。実は以前から飛行機に乗るたびに観たかった『プラダを着た悪魔』。飛行機の中での上映にぴったりな、安心して観られるハリウッドのコメディで、最近よくある日本語吹き替えに中国語字幕。高級ファッション業界に君臨する雑誌の女編集長…
出張の飛行機の中で映画を観る。アカデミー賞の外国映画賞を受賞した話題作『おくりびと』を観る。以下は無駄話で、ネタばれがあります。上京してチェリストになるのが夢だった主人公が、夢破れて山形の田舎の生まれ故郷に帰り、そこで新聞の求人広告に応募…
未読山の中から、イタリアのデモノロジー(悪魔学・精霊学)の研究書を読む。文献は、Maggi, Armando, In the Company of Demons: Unnatural Beings, Love, and Identity in the Italian Renaissance (Chicago: The University of Chicago Press, 2006).学術…
必要があって、障害の歴史の研究レヴューを読む。文献は、Kudlick, Catherine J., “Disablity History: Why We Need Another ‘Other’”, American Historical Review, 108(2003), 763-793. 医学・病気の問題と障害の問題は深い関係があって、医学の歴史を研究…
必要があって、障害の社会史の論文集を眺めていたら、おもわず引き込まれて読んだ傑作があった。文献は、Stagg, Kevin, “Representing Physical Difference: the Materiality of the Monstrous”, in David M. Turner and Kevin Stagg eds., Social Histories…
必要があって、ダナ・ハラウェイが霊長類研究の政治学について論じた論文を読み返す。文献は、Haraway, Donna J., Simians, Cyborgs, and Women: the Reinvention of Nature (London: Free Association Books, 1991)の第一章。この論文集は日本語の翻訳も出…
必要があって、科学哲学者のイアン・ハッキングが実験装置の役割を鳥瞰した論文を読み直す。文献は、Hacking, Ian, “The Self-Vindication of the Laboratory Science”, in Andrew Pickering ed., Science as Practice and Culture (Chicago: The University…
必要があって、20世紀初頭のオーストラリアのある精錬工場における鉛中毒の労働衛生の歴史研究を読む。文献は、Gillespie, Richard, “Accounting for Lead Poisoning: the Medical Politics of Occupational Health”, Social History, 15(1990), 303-331.労…
必要があって、イギリスの労働衛生史の研究書を読む。文献は、Gray, Robert, “Medical Men, Industrial Labour and the State in Britain, 1830-50”, Social History, 16(1991), 19-43. 1830年代から40年代にかけて「労働時間10時間制限法案」をめぐって、医…
偶然、社会科学としての歴史理論に関する論文を何点か読む。文献は、Social Science History の2008年冬号に掲載された、William H. Sewell の Logics of History の小特集。George Steinmetz, Dylan Riley, David Pedersen の三人が Sewell の書物を批判的…
必要があって、ファシズム期イタリアの社会科学における生理学的な有機体の比喩の利用に関する書物の一章を読む。文献は、Horn, David G., Social Bodies: Science, Reproduction, and Italian Modernity (Berkeley: University of California Press, 1994).…
未読山の中から、日本の戦前の殺虫剤と化学兵器の開発研究に関する論文を読む。文献は、瀬戸口明久「殺虫剤と化学兵器-日本の場合 1981-1945」『化学史研究』30(2003), 1-10.第二次世界大戦前のドイツやアメリカでは、殺虫剤研究が化学兵器開発と密接な関係…
しばらく前に、知人から、亡くなったお父さまの蔵書をいただいたことがある。彼のお父様は開業医であったけれども、医学史に興味をもっていて書物を買い集め、ご自分でも何か調べておられたとのこと。その蔵書の中の一冊に目を通す機会があったので、記事に…
必要があって、熱帯の自然とそこに住む人間がどのように表象されるのかを論じた書物を読む。文献は、Stepan, Nancy Leys, Picturing Tropical Nature (London: Reaktion Books, 2001). 著者はラテンアメリカの優生学の歴史の研究で知られる実力者で、この本…
必要があって、任意的寄付病院についての論文を読む。文献は、Cherry, Steven, “Accountability, Entitlement, and Control Issues and voluntary Hospital Funding c1860-1939”, Social History of Medicine, 9(1996), 215-233.任意的寄付病院は1730年代か…
必要があって、イギリスの任意的寄付病院(voluntary hospital) の地理的な分布を研究した論文を読む。文献は、Gorsky, Martin, Jonh Mohan and Martin Powell, “British Voluntary Hospitals, 1871-1938: the Geography of Provision and Utilization”, Jo…
必要があって、マンチェスター地域の病院の歴史を読む。文献は、Pickstone, John V., Medicine and Industrial Society: a History of Hospital Development in Manchester and its Region, 1752-1946 (Manchester: Manchester University Press, 1985).著者…
必要があって、ロンドンのセント・メアリー病院(St Mary’s Hospital)の病院史を読む。文献は、Heaman, E.A., St Mary’s: the History of a London Teaching Hospital (Montreal: McGill-Queen’s University Press, 2003). セント・メアリーが一番有名なのは…