医学の歴史のレファレンス


 今日は、レファレンスの紹介です。 

 医学史の便利なレファレンスというのは幾つかある。 ラウトレッジから出ている Companion Encyclopedia of the History of Medicine (1993), 同じくラウトレッジが出している Companion to Medicine in the Twentieth Century (2003), ケンブリッジから出ている The Cambridge World History of Human Disease (1993) などは、どれもメジャーな出版社から出ている売れ筋のものだから、この業界(そんなものがあるのかどうかわからないが・・・)では、わりと知られているだろう。 ついでに言うと、ケンブリッジから出ていた Human Disease は、病気別でひくことができる部分だけを独立させてペーパーバックで売り出した。 これはお買い得である。

 おそらく、最近の人文社会科学系の医学史研究者(私もその一人だが)にあまり知られていないのが、Morton's Medical Bibliography である。 医学図書館や医学の古書店のカタログで、Garrison-Morton 5432 などの番号が振られているのを見たことがある人もいると思う。 この Garrison & Morton というのは、医学史上の重要な書籍を収録した書誌である。 1991年に第5版が出ている。全部で1200ページに約9000点の書籍の情報とそれがどんな意味があるかという説明がぎっしりと収録されている。 もちろん「名著顕彰」的な関心で作られたものだが、著者の生没年なども記されているし、非常に便利である。 

Jeremy Norman ed., Morton's Medical Bibliography, 5th ed. (Scholar Press, 1991)