医療英会話023

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。今日はpp.64-66. 「うしんしつ 右心室」から「うで 腕」まで。
 
薄い
light, little, thin, weak, dilute
Eat lightly salted foods
Have you noticed any thinning of your pubic or underarm hair.
 
疼く
It is a throbbing toothache?
 
薄める
Please dilute one unit of this solution in about sixty millimetres of water.
 
右折する
Turn right at the corner where the convenience store is, and you will find the bust stop right there.
 
Your son is probably telling lies because he wants to get your attention.
 
疑い
suspicion, doubt
I suspect your have a stomach ulcer. 
 
疑わしい
We will remove and examine some of the suspicious tissues.
The effectiveness of steroid in a case like this is questionable.
 
疑われる
Judging by the results of the MRI, it could be liver cancer.
 
in, within, while, before
You will get better in a few days.
Please come and see me before your symptoms get worse.
 
打ち明ける
tell frankly, confide
Thank you for telling me frankly what was on your mind.
 
内側
Do you have any pain on the insider/inner side of your right elbow?
 
内気な
She is a quiet, introverted patient.
 
内金
You need to make a down payment of ten thousand yen.  Is that all right with you?
 
打ち解ける
Can you talk to your colleagues in a friendly manner?  
 
打ち身
bruise, contusion
get a bruise on one's right arm from falling down the stairs.
 
How long have you been feeling depressed?
How long have you had this depressed mood?
 
打つ
hit, strike, give, be impressed by, admire, try means
fall down and hit/strike the back of one's head.
Let me give you an injection.
I was really impressed by how hard your worked on your rehabilitation.
 
うっ血
Your lungs are congested because the pumping action of the heart has slowed down.
 
写し
Do you need a copy of the test results?
 
移す
Move the patient into the intensive care unit/ICU.
Transfer the patient from a wheelchair into a bed.
 
うっ滞
retention, stagnation
The swelling in your legs may be caused by lymph fluid retention.
 
訴える
sue/file a suit against/bring a lawsuit against the doctor for malpractice/negligence
 
Have you ever been diagnosed with depression?
You are suffering from depression, but no matter how hopeless you feel.  
 
うつ伏せ
Please lie on your stomach
To reduce the risk of crib death, put your baby to sleep on his/her back, not face down.
 
鬱憤
pent-up
 
移る
You will move to the surgical floor today
Did you catch the flu at your workplace?
This disease can't be transmitted by hugging or kissing.
Chickenpox is spread by coughing and sneezing.
 
うつろな
blank, vacant
He has a blank look in his eyes.
 
raise one's arm, lower one's arm, fold one's arms, stretch out one's arm, bend one's arm, rotate one's arm
Do you have any pain in your arm?
Does your shoulder hurt when you raise your right arm to shoulder level?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

『ブラタモリ』と渤海からの感染症の侵入

私が見るTV番組にNHK の(おそらく)人気番組の『ブラタモリ』がある。土曜日の晩ごはんを食べて、お茶を飲みながら楽しい番組を見る。今日は秋田がロシアや渤海と深い関係があるという話だった。その中でちょっと本気になった話題がある。

ポイントは古代の時期、ことに平城京の時代の日本における感染症の移動の向きの話である。天平天然痘は福岡から入って都の奈良に向かった。これは日本国内の西から東への移動である。

一方で、その反対に、ある感染症渤海から秋田にはいり、そこに基盤を持ってから東から西に移動したと考えたほうがよく分かる記述がある。かなり長い文章なのだが、以下のようなものです。

 

律令制度とサーキットの確立>


天平天然痘は、律令制のもとで確立していた、それぞれの「国」の国衙を中央と結び、国の中では、国衙と「郡」を結ぶ行政と交通の機構によって、全国に伝播したと考えられる。詳細は不明であるが、防人の移動も貢献したのかもしれない。また、『続日本紀』の記述から判断するに、西から侵入して東へ移動したことは疑いない。疫病がたどったルートは、朝鮮半島から玄界灘沿岸にいたり、そこから瀬戸内海を経て河内湖にいたる海上交通のルートとほぼ重なっていた。このルートは、大和政権や奈良時代律令国家にとって、その存在基盤を支えるといってもよい重要なルートであった。鉄の精錬などの高い技術やその技術を用いた産物が、このルートを通って難波を経て京(みやこ)へともたらされ、京から濃尾平野からさらに東へと輸送されていた。

大陸や朝鮮半島から九州・西日本に感染症が侵入するというパターンは、その後の流行でも繰り返された。後述する760-763年(天平宝字4-7年)の天然痘も、西から東へと移動し、正暦5年の天然痘も、九州北部から侵入して、全国に広まった。後者の記録には「鎮西より起こってあまねく七道に満ちた」とある。この流行の時には、平安京の死者は人口の半分以上であり、宮廷においても、五位以上の官人が67人死んだという。おおまかにいって、この「西から東へ」というベクトルは、19―20世紀に到るまで、外国から侵入した疫病の基本的なパターンとなる。


しかし、古代の疫病の中には、これとは違う経路で広まったものもある。その一つが、698年からほぼ10年間連続して各地で記録されている「疫」である。この「疫」が、一つながりの疫病であると仮定すると、それは「西から東へ」というなじみ深いパターンとは反対の、「東から西へ」という動きを示している。


この疫病の記録は698年にはじまる。その年に越後が疫病を報告し、薬を施してこれを救うという『続日本紀』の記事である。同年に、近江と紀伊の二国も疫を報告し、医薬を与えている。(図x-1) 699年から704年まで、701年をのぞいて毎年、各国が疫を記録しているが、これは、信濃(4回の記録)、上野(3回)、相模(2回)、越後(1回)など、東日本の諸国からの報告が主体になっている。(図x-2)


705年(慶雲二年)に疫病はより広範な範囲に広まった。記録には「諸国二十、飢疫」とあり、医薬などを与えたとある。706年(慶雲三年)には、年頭の記事から、疫病が京・畿内三河駿河などに広がっていることが記され、夏四月には、河内、出雲、備前、安芸、淡路、讃岐、伊予など、山陽・山陰、四国地方から疫病の報告があがっている。この年は「天下諸国に疫病があり、人民が多く死んだ」と記され、疫病を祓うための土製の牛の像を初めて作り、宮城に据え付けられた。707年(慶雲四年)にも疫病は続き、諸国に人を遣わして大祓いをしている。このときは、丹波・出雲・石見の山陰地方でとくに疫が激しかったという。708年にも疫は続き、讃岐、山城、備前、但馬、伯耆など、中国地方と山陰地方に集中している。すなわち、705年の広範な疫病の記録(「諸国二十」)のあとの706年から708年にかけては、疫病は京・畿内およびそこから西に起きている。(図x-3)なお、この碁、709年から713年にかけても疫病の記録があるが、それらは、上総、下総、越中信濃尾張駿河紀伊、志摩など、東日本に回帰する動きを見せている。

この、698年に越後で最初に記されてその後数年は東国に根付き、705年から京と畿内、そして山陰・山陽・四国で観察された疫病、すなわち「東から西へ」移動したかのように見える疫病を、どのように説明すればいいのだろうか?もちろん、これらが同じ疫病であることを示す証拠はない。しかし、その伝播のパターンは、偶然の産物とするには余りにも鮮明である。だとしたら、この疫病は、どこで発生したのだろうか?海外で発生したとすると、どうやって日本に入ってきたのだろうか? 色々と可能性を考えることもできるが、それらは現状では憶測にとどまらざるをえない。

この東から西へ伝播した疫病が教えてくれる確かなことは、日本の中に、感染症がいったん侵入すれば、それを各地に伝播するサーキットが出来上がっていたことである。このサーキットを作り上げていたのは、律令制によって結ばれた各地と都との交通、そして、それぞれの国における国衙と末端の郡村の間の交通であろう。すなわち、租庸調を都や国衙に運び、平城京国衙国分寺の造営に駆り出され、防人として動員され、そして自分の村に帰って行った農民たちが、感染症を運んだのであろう。市場経済に基づく移動が未発達であったとしても、中国にならって作り上げた中央集権の政治体制は、感染症を伝播する網目を日本の国内に作り上げていたのである。

19世紀フランスの写真家による巨大な人骨コレクション

 

publicdomainreview.org

Public Domain Review の今年度の特集を買った。その記事で、19世紀フランスの写真家として著名な フェリクス・ナダル (Gaspard-Félix Tournachon, 1820 – 1910)が、パリの人骨を写真におさめていたという記事を読む。
 
パリの墓場については、12世紀に始まり、18世紀には悪臭が問題になり、その人骨を19世紀に写真におさめるという経緯である。人骨を集めて並べてコレクションを作る。そこには個人がなくなって、人骨のコレクションになる。非常にインパクトがあり、これから大きな本も読んでみますが、大都市における死と死体の問題は、色々な倫理が重なる面白い現象ですね。

 

トロイ展ー神話と現実

www.britishmuseum.org

 

土曜日のエスプレッソ。楽しい記事はやはり「トロイ展―神話と現実」の展覧会。大英博物館で開催とのこと。画像や動画や説明が素晴しい。
 
私の世代の男性の多くはシュリーマンが好きで、その関係でトロイア遠征が大好きだった。大学に入って『イーリアス』と『オデュッセイアー』を愛読した。あの時代は、オデュッセイアーの知恵深さではなく、戦場のアキレウスの直線的な情熱を愛していた。実は25年以上も読んでいない。今度読むと、オデュセイアーの方が好きになるのだろうか。

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現代芸術におけるトロイ文明1

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大衆芸術におけるトロイ文明

トウガラシとシシトウの区別をもう一回

庭のプラスティックの鉢で栽培している唐辛子類。今日は赤ばかりで緑は一本だけ。ここにトウガラシとシシトウの区別があるのかなと思い、赤を二本食べてみました。もちろん片方は非常に辛く、もう片方は普通にシシトウの味でした。同じ赤なのに、何が起きているのでしょうか(笑)

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多数の赤と一本の緑。あまり意味がありませんでした(笑)

医療英会話022

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。今日はpp.61-63. 「ウェゲナーにくげしゅしょう(肉芽腫症)」から「うしん 右心」まで。

うえげなーにくげしゅしょう
Wegener granulomatosis

植込み型
Implantable defibrillator

飢える
be hungry, starve, crave
That boy is hungry for his mother's love.

ウォーキング
I recommend walking as a good way to lose weight.

うがい
gargling, rinse out one's mouth
Please be sure to gargle after returning home.
gargle with lukewarm water
gargle, mouthwash, throat wash

伺う
Now I would like to ask you some questions about your daily routine.

浮かぶ
Do you see many black specks floating around in your field of vision?
Please tell me what comes to your mind when you look at this picture.

受け入れる
accept/admit seriously ill patients
accept the fact that one has cancer

受け答え
It takes time for her to answer.
That child answers convincingly.

受け継ぐ
inherit, take over, succeed
inherit a gene
take over one's father's business.

受付
Please make a follow-up appointment at the reception counter.
Outpatient reception at this hospital starts at eight in the morning.

受け付ける
She can't take even liquid food.
Her stomach rejects even liquid food.

受け取る
I am sorry but we are unable to accept gifts of any kind from a patient or patient's family.

受け持ち
I am Dr Sato and I will be your doctor starting from today.
A patient assigned to me.

受け持つ
I am in charge of three patients now.

受ける
Have you recently had any major surgery?
You need to have surgery on your gallbladder.
Have you ever suffered an emotional shock such as a death in the family or divorce?
Have some brain damage.
She is shocked at hearing of her mother's death.
Have you been under more stress recently?

動かす
Please don't move your head.
Do you have difficulty moving any part of your body?
How much physical labour does your work involve?

動き
She moves slowly

動く
The table will move slowly.
Hold your breath and remain still for just a second.

右室
right ventricle

失う
Have you lost interest in your usual activities, such as shopping or housework?

後ろ
the back, the front, backward, forward
Do you have the pain in the back of your neck?
Please put on this gown with the opening in the back.

右心
right-heart, right-sided heart
right heart bypass

 

「院内感染」の nosocomial

いま病院の歴史という事典の事項を書いている。Guenter Risse の700ページの傑作があり、どの話題を取ってどこを外すかを迷いながら書いている。たまたまその過程で、医療英会話の「院内」の項目を引き、そこに nosocomial という単語に出会った。ちょっと面白い単語なので調べてメモ。
 
この単語自体が英語に現れたのは19世紀だが、もともとは古代ギリシア語の「疾病」をあらわす noson と、人の世話をするという意味の komein を合わせたものである。そのタイミングは紀元後4世紀で、ヘレニズムのギリシア語、ビザンチンギリシア語、そしてラテン語に nosokomein にあたる単語が現れる。それからルネサンスのこの単語が再発見され、16世紀フランスのラブレーが nosocome という語を用いて、17世紀イングランドではその語が英語として使われている。
 
意味は「疾病にかかった人たちがケアされる場所」と考えることが一番いい。紀元後4世紀にはそのような意味で用いられたし、16世紀にラブレーが使ったのは、戦争で負傷した兵士が療養する場所の意味である。
 
ところが19世紀になると「ホスピタル」の意味になるだけでなく、次に現れる単語は fever, infection, epidemic などになり、「院内感染」「院内流行」の意味で使われることが多くなる。