パンゲ『自死の日本史』

自殺のリサーチに返らなければならなくなった。夏に読んだモーリス・パンゲ『自死の日本史』(東京:筑摩書房、1986)をブログの記事にしていないのに気づく。

神代の昔から三島まで、日本の自死の事例を取り上げて論じた大著。深い洞察、明晰な分析、そして美しい文体。日本の自殺の歴史を論ずる研究者たちがまず読まなければならない著作、そして何度も読み返す水準の高い書物である。ちょっと調べた範囲では、この名著が現在は手に入りにくいようである。今年の後半の自殺の波のうねりを受けて、来年は多くの大学教師が授業で自殺の問題を取り上げることは間違いない。放っておいても筑摩書房が再版するだろうけど、念のためにメールを打っておいた(笑)。