『ジェイン・エア』


映画『ジェイン・エア』を観た。学生時代にがんばって原作を通読して、私が初めて面白いと思った英語の作品だから思い出深い作品。これは原作の価値とか私の趣味とかそういう問題ではなく、小説を英語で読んで面白いと思えるほど英語ができるようになったちょうどその頃に読んだ作品だということが大きいと思う。

主演のジェイン・エアは、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカヴィクトリア時代の女性を演じるのが板についてきたのか、とても説得力があった。ロチェスターは、もともと難しい役柄で、誰がどう演じても説得力を持たせられないと思うけれども、『危険な方法』でユングを演じたマイケル・ファセベンダーはよかった。それから、フェアファックス夫人はジュディ・デンチで、彼女を崇拝している私は、いちいち納得して台詞を楽しんでいた。“Gentlemen in his station are not accustomed to marry their governess” という私が好きな台詞があるけれども、そうか、ああいう風に何気なくいうと、無邪気さと毒の双方がにじみでるんだ。