5月21日に、コーネル大学精神医学科で教え、精神医学史研究の礎を築いた歴史家である Eric T. Carlson (1922-1992) を記念した The Carlson Award を受賞いたしました。また、その銘を刻んだ銘板を、コーネル大学の精神医学史研究所の所長である George Makari 先生から頂きました。マカリ先生は、精神分析の形成を論じた著作として諸国語に訳されている名著である Revolution in Mind (2008) の著者であり、私が導きの星としてきた書物の著者から銘板を頂くことは大きな栄誉でした。カールソン先生のお名前が入っている賞をいただくことは特別な喜びでもあります。カールソン先生のご著作は、私が精神医学史を学び始めたばかりの頃に読んだもので、学部生の頃に読んだ論文を掘り出してみたところ、ごく簡単な英単語も辞書で引いて意味が書き込んであり、感慨深いものがありました。コーネル精神科のバーチャス先生のご厚情、そして勇気を与えてくださったことにも、心から感謝いたします。カールソン講演者の中には、初代の故ロイ・ポーター先生や、私が尊敬する友人であるソヌ・シャムダサニ先生などが入っております。そのような学者たちがかつて行ったカールソン講演をいたしたことを名誉として、これからの精進に励む所存です。