三千院と桂離宮

 
一泊で三千院桂離宮に行ってきました。大原の地は千有余年前に魚山と呼ばれ、仏教音楽(声明・しょうみょう)の発祥の地であるとのこと。とても大切なことですが、初めて知りました。2016年の年末に実佳と娘が行ったのですが、その時に私は行っておらず、仏教音楽を調べ始めるのが遅れました(笑)
 
往生極楽院には国宝の阿弥陀三尊像が収められているとのこと。阿弥陀如来は来迎印の姿勢を、右の観世音菩薩は往生者を蓮台に載せるポーズを、そして左の勢至菩薩は合掌しているとのこと。彼らの頭上にある天井には、極楽浄土に舞う天女や諸菩薩の姿が極彩色で描かれており、現在ではその忠実な複製が別館に保存されているとのこと。極楽院にある現物については、実佳によると、朝の特別拝観に行くと見ることができるとのこと。
 
宸殿には薬師瑠璃光如来が祭られているとのこと。薬師如来は奈良の薬師寺を筆頭に日本人に人気もあり、仏教と健康との関連が広く深く静かに関連している部分。私も奈良の薬師寺唐招提寺はとても気に入っている。
 
三千院はその周辺にも見るべきものがたくさんあって、次の機会には少しゆっくり見たい。薬師如来について、時代について、平家物語についてなど、私が凡人より無知な領域で、これから少しずつ本を読もう。
 
桂離宮京都御所などともに皇室用財産で宮内庁が管理している。公開の日があって、ネット上から何かを宮内庁に出すと、鑑賞を認められる。人数はコントロールされ、一度に見ているのは、20人×3の60人くらいで、ちょうどよい。説明してくださっているのは専門家で、話もとても面白いし、「お茶屋というのはお酒を出せるということなんです」とか、とても大切なことを仰ってくださる(笑)
 
お茶屋が、池を中心とする風景を共有するという、仏教と資本主義がかみ合わされた仕組みは(笑)、ブルーノ・タウトという建築家が1933年に日本インターナショナルに招聘されて日本に亡命したときに桂離宮を高く評価したことが分かるような気がする。それぞれの組織が異なった機能を持っているが、何かの光景を共有する空間になるということである。
 
写真は三千院の庭の写真。
 

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