カカオとココアとチョコレート

Davidson, Alan, Tom Jaine, Jane Davidson, Helen Saberi, and Soun Vannithone. The Oxford Companion to  Food. 2nd ed. / edited by Tom Jaine ed.: Oxford University Press, 2006.
 
Alan Davidson の Oxford Companion to Food は、世界中の食材を取り上げた性格で面白い浩瀚なレファレンスである。私が持っているペーパーバックの初版でいうと1,000ページ以上あり、肉筆手書きのイラストが博物誌の雰囲気を醸し出していてとてもよい。ちなみに、ぺーバーバックになると Penguin Companion to Food と書名が変わるという不思議な現象がある。あと、ちょっと心が迷って、これを kindle で買ってみたが、検索する仕掛けがついていないという欠陥を持っていて残念だった。
 
今日は、このレファレンスで調べたカカオとココアとチョコレートの話。私が初めて知ったことがあったのでメモ。
 
もともとはチョコレートの「レート」は牛乳を意味する lait や latte かを確かめるという単純な調べ物だった。私は choco-latte かと思っていたが、中南米の現地語からの生成であるとのこと。chocol はマヤ語で hot の意味、atl は ナフアトル護で water の意味であるとのこと。
 
それより面白かったのが、ココアの概念とチョコレートとの違いの話。実佳がイギリスからホット・チョコレートを買ってきて、これが6食分で5ポンドと高価ということもあるが、とても美味しくて、ココアとは違う飲み物だという感じがする。私はもちろんココアも好きだけど、それどもイギリスから買ってきたホット・チョコレートは、そのはるか上を行くおいしさである。それで、レファレンスでココアを調べてみると、その違いが分かった。ホット・チョコレートというのは、カカオ豆をすりつぶしてそこに牛乳などを入れてつくる。しかし、ココアは、カカオ豆からいったんおいしい部分を取り去った残りのものに、牛乳などを入れて飲めるようにしたものであるとのこと。廃棄物あるいは残り物の再利用である。それはホット・チョコレートとは味が違うはずである。
 
もちろん、牛乳と砂糖が入って、そこにそこそこコクがあるスパイスが入っていると、とても幸せになる飲み物になる。ココアは生涯飲み続けます(笑)