ヒトと人間であること
ウェルカム財団の新しい常設展示は「ヒトと人間であること」Being Human というもの。ヒトと人間の身体の将来について、21世紀に何が起きて私たちに幸福をもたらし、どんな悲惨なことが起きるのかを示すもの。数多くの芸術家がその表現をするとのこと。
常設展示の身体のほとんどは、タトゥー、装飾、衣装、髪飾りなど、身体だけでなく、そこに直接働きかける付属品に満ち溢れていることに強い印象を受けた。そして、ここに21世紀のヨーロッパの医学が帰ってきたこと。憶えておく。
2019年の秋にオープンするとのこと。次にロンドンに行ったら必ず訪問しよう。常設展示のどこなのかよく分からないけど(笑)
医療や疾病関係の地図を作るソフト
医療や疾病の歴史をしていると、現在の世界における状況に触れる必要があることが非常に多い。「結核の死亡率は2017年にはこのようなもので~」というセリフを言う必要がある。もちろん自分でがんばればできるが、時間がとてもかかる。そこで、データがぱっと手に入り、それを地図で表現できるという、非常に便利なウェブ上のソフトが提供された。月に2万円払うと素晴らしい機能が提供され、おそらく自由にデータを集め、地域も自由に選ぶことができ、地図の表現も素晴らしいのだろう。ただ、正直に言うと、今のところはそれをしなくてもいい。無料で提供されるデータも素晴らしい。たとえば、以下の地図は、世界各国で感染症による死亡率が高い地図である。無料でこのような地図が入手できるのは素晴らしい。
19世紀イングランドの刑務所囚人の記憶と記録について
ヒラリー・マーランド先生の論文。19世紀後半の刑務所囚人の記録を管理側や宗教側の解釈と対比させる素晴らしい論文。学会誌の購読者でなくてもおそらく自由に見ることができるので、ぜひご覧ください。
イングランドでは1840年代には刑務所に秩序を与える努力が始まった。個人化して隔離するという有名なシステムである。管理側や囚人を指導する牧師の側は、この効果を非常に高く評価していた。自己を反省して改善すると目に見える改善が現れるし、精神疾患などは現れなかったし、聖職者たちは個人として隔離される効果を謳っていた。しかし、多くの精神疾患が現れたと同時に、囚人たちが刑期を終えた後の記録と大きく異なっていた。1860年以降は、刑務所の秩序志向は非常に厳しくなると同時に、元囚人による批判も激しくなった。その中で興味深いのが、19世紀の世紀末に同性愛で有罪となり、その刑務所での経験を記述したオスカー・ワイルドである。彼のさまざまな批判は、他の多くの囚人の批判と類似したものであるという。