小満(二十四節気)

本来は5月21日に始まった節気だが、記入が遅れました。
 
小満」の時期。これは、立夏小満芒種という流れである。立夏は夏が始まること、芒種穀物の種類である「芒」の種にかかわることである。私の印象でいうと稲を植えることである。同じ「芒」である麦と稲が大きく異なり、この時期の麦は、成長を終えて実を稔らせ収穫する、どちらかというと終結の主題だが、稲に注目すると、播種(はしゅ)され田植えされるという。むしろ開始や何かが世界にあふれ出す時期にあたる。稲に着目すると、小満は、万物が次第に成長して天地に満ち始めると考えていい。
 
初候は「苦菜秀」(くさいひいず)。苦菜は「にがな」であり和名は「川ぢさ」である。「川ぢさ」というのは、もともと草の名前である(笑)。しかし、気が遠くなるくらい複雑である(涙)「三礼草」(サンライソウ)、「耆婆三礼草 」(ギバサンライソウ)、有田草(ありたそう)、たかさぶろうなど、数多くの名称がある。薬用植物でもある。うううむ。
 
次候は「靡草死」(びそうかる)。これはもっと難しい(号泣)。靡草というのは、なずななどの枝葉の細かな草のこと。それが、この頃の強い日差しによって枯れてしまうということである。ところが、別の書物では「靡草生」(びそうしょうず)という記録もある。立夏小満の流れで靡草が生じるといっても不思議ではない。私は枯れるものも生ずるものも見たことがあるのでどっちでもいいと考えるが、生は死の過ちであるとのこと。なかなかいいですね(笑)
 
末候は、難しいとかそういう問題ではなく、呆然とするしかない「小暑至」(しょうしょいたる)である。この末候は、これから七つの候を進めた場所にある「小暑」という名前の節気に至るという意味である。うううううむ(大号泣)。

子供英語スペリング大会!

 

spellingbee.com

 

エコノミストエスプレッソより。毎週土曜日が一番楽しい。今日はヨーロッパの小さい国が楽しむ「極小国オリンピック」の話も面白かった。ヴァチカン教皇庁の人口は1,000人以下だが、この極小国オリンピックには参加し、枢機卿か聖職者が参加するという。しかし、アメリカの子供スペリング選手権が再び行われ、小学生・中学生たちが難しいスペリングの語彙で競うというゲーム。これはインド系が圧倒的に強いという。私も英語のスペリングか漢字の能力を磨いてみようかな。でも、激しい衝撃に打ちのめされることは絶対確実なんですが(笑)

ヒトと人間であること

 

wellcomecollection.org

 

ウェルカム財団の新しい常設展示は「ヒトと人間であること」Being Human というもの。ヒトと人間の身体の将来について、21世紀に何が起きて私たちに幸福をもたらし、どんな悲惨なことが起きるのかを示すもの。数多くの芸術家がその表現をするとのこと。

常設展示の身体のほとんどは、タトゥー、装飾、衣装、髪飾りなど、身体だけでなく、そこに直接働きかける付属品に満ち溢れていることに強い印象を受けた。そして、ここに21世紀のヨーロッパの医学が帰ってきたこと。憶えておく。

2019年の秋にオープンするとのこと。次にロンドンに行ったら必ず訪問しよう。常設展示のどこなのかよく分からないけど(笑)

医療や疾病関係の地図を作るソフト

knoema.com

医療や疾病の歴史をしていると、現在の世界における状況に触れる必要があることが非常に多い。「結核の死亡率は2017年にはこのようなもので~」というセリフを言う必要がある。もちろん自分でがんばればできるが、時間がとてもかかる。そこで、データがぱっと手に入り、それを地図で表現できるという、非常に便利なウェブ上のソフトが提供された。月に2万円払うと素晴らしい機能が提供され、おそらく自由にデータを集め、地域も自由に選ぶことができ、地図の表現も素晴らしいのだろう。ただ、正直に言うと、今のところはそれをしなくてもいい。無料で提供されるデータも素晴らしい。たとえば、以下の地図は、世界各国で感染症による死亡率が高い地図である。無料でこのような地図が入手できるのは素晴らしい。

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無料で作られた感染症死亡率の地図です。とっても便利です!

 

19世紀イングランドの刑務所囚人の記憶と記録について

academic.oup.com

 

ヒラリー・マーランド先生の論文。19世紀後半の刑務所囚人の記録を管理側や宗教側の解釈と対比させる素晴らしい論文。学会誌の購読者でなくてもおそらく自由に見ることができるので、ぜひご覧ください。

イングランドでは1840年代には刑務所に秩序を与える努力が始まった。個人化して隔離するという有名なシステムである。管理側や囚人を指導する牧師の側は、この効果を非常に高く評価していた。自己を反省して改善すると目に見える改善が現れるし、精神疾患などは現れなかったし、聖職者たちは個人として隔離される効果を謳っていた。しかし、多くの精神疾患が現れたと同時に、囚人たちが刑期を終えた後の記録と大きく異なっていた。1860年以降は、刑務所の秩序志向は非常に厳しくなると同時に、元囚人による批判も激しくなった。その中で興味深いのが、19世紀の世紀末に同性愛で有罪となり、その刑務所での経験を記述したオスカー・ワイルドである。彼のさまざまな批判は、他の多くの囚人の批判と類似したものであるという。

 

台湾の学問の指導力について

エコノミストエスプレッソが台湾において同性愛者が結婚してよいという法律が通ったというニュースがあった。この現実に向かって努力してきた皆さま、おめでとうございます!
 
一つ印象に残ったのは、日本の同性愛者も結婚できる法律を目指しており、十数件の法的な訴訟があるとのこと。大切なのは、日本が「これと同じ法律」を目指しているとのこと。日本の行動は「台湾と同じ目標を目指す」というパターンである。
 
医学史や科学史においても、こと英語に限定すると、台湾の研究者たちの力は非常に強く、日本の力をかなり鮮明に凌駕している。もちろん日本語での論文や本の発表に関しては、日本が台湾より優れているのだろうと思う。日本語と台湾語の比較としては私には分からないが、少なくとも互角の勝負にはなるのだろう。しかし、国際的な標準語である英語を考えると、台湾が日本より明確に一歩か二歩は前に出ている。彼らはどうしているのだろう。私たちはどうするといいのだろう。色々と考える記事でした。