看護学校を舞台にした映画『人生、ただいま修行中』

『医学界新聞』で新しい映画の『人生、ただいま修行中』の監督にインタビューしていた。色々な意味で同意したり、大切な視点であると思う洞察が多い。良い言葉はこちらである。「看護師は人間的に豊かな職業。看護ほど,他者との濃密な関係を築く仕事はほかにない」映画について調べたら、静岡でも年末の時期に上映している。観に行ってきますね。

 

longride.jp

 

www.igaku-shoin.co.jp

二十四節気の「小雪」(せうせつ)

少し遅れたが、二十四節気の「小雪」(せうせつ)。孟冬10月の中気。いよいよ雪が舞い落ちてくる季節となったが、いまだ大雪には至らないので「小雪」。太陽は黄経240度。ここで恐らく岡田先生の誤植があり、太陽暦では11月12日頃と書かれているが、これは11月22日だろう。
 
諸侯は「虹蔵不見(にじかくれてみへず)」仲春清明の末候に「虹始見(にじはじめてあらはる)」とあってから7か月あまり、雷より寿命が長い。寒い時期には虹は出ないらしい。
 
次候は「天気上騰地気下降(てんきじょうとうし、ちきかこうす)」と気象予報的な長文が現れる。天気は陽の気、地気は陰の気である。また温暖と寒冷をもあらわしている。暖気が上昇して、逆に地上には寒気が下降する。陰気はますます重なり、気温はさらに低くなる。実は「十二紀」「月令」ともに孟春の月の物腰に「天気下降、地気上謄」という文章がある。それと対になっている。
 
末候は「閉塞而成冬(へいそくしてしふゆになる)」。天地の気が塞がって、陰の気の支配する冬が本格的に到来する。

「今日の事件」のダーウィン『種の起源』の出版と Merriam-Webster の「今日の単語」

www.history.com

 

www.merriam-webster.com

 

合衆国のウェブサイトを眺める機会が多くなり、色々なサイトから無料でメールを貰っている。History の「今日の出来事」では、11月24日は、ダーウィンが1859年に『種の起源』を出版した日であるとのこと。また、最近知った Merriam-Webster の英語辞典の「今日の英単語」では、古い起源をもつ言葉の解説をしたメールが送られてきて、これもとても面白い。

 

stable と納豆とワーファリン

難語というよりも単純な驚き。stable という言葉があって、病気に関して使われると「安定している」という意味で使う。これが「安定している」という意味なのか、「一応安定している」という意味なのか、日本語でも難しいし、おそらく英語でも難しい。

もう一つは納豆のマイナスの側面について。私はわりと納豆が好きである。健康云々だから黙々と食べているニンジンよりも、好きで食べている。ところが、ワーファリンやワルファリンという薬に対して納豆はマイナスに働くとのこと。ちょっと驚き。

医療英会話031

医療英会話キーワード辞典。一日3ページずつ音読。今日はpp.89-91. 「オズグッド・シュラッター病」から「脅かす」まで。


お座り
Is your baby able to sit up without any support?

汚染
contamination, pollution
This disease is caused by contaminated water.
contaminated blood products

遅い
Do you usually work late?
It is still not too late to start this treatment.

遅かれ早かれ
Sooner or later she is going to tind our what happened.

恐らく
probably, likely, maybe. probably が「十中八九」
You will probably feel better after taking this medication.
Dr Kishi is probably coming to see you tomorrow morning.
Maybe it is the medication that has caused the constipation.

恐れ
possibility, fear, danger, suspiction
There is a possibility of the cancer spreading, so let us continue the treatment.
There is some possibility of developing pneumonia.
There is little possibility of this disease recurring.

恐れる
What are you afraid of?
Are you afraid that the disease may recur?

恐ろしい
terrible, horrible
Did you have a terrible dream?
The terrible thing about this disease is that in its early stages most people have no symptoms that they are aware of.

穏やかな
It's sunny and mild today. How about taking a walk outside.
She has a gentle/mild disposition.

陥る
fall/lapse,
be in a very difficult situation

落ち込む
When do you feel depressed in the morning or in the evening?

落ち着かない
restless, nervous, unsettled
She appears nervous a head of the surgery.

落ち着き
That patient appears calm, and he is considerate we well.
keep one's composure

落ち着く
cam, cool, relax
Take a few deep breaths. It will calm you down.
Her condition is now stable.

落ちる
Please be careful not to fall down the stairs.
Your eye sight/kidney function/liver function is failing/declining.

お疲れさま
That is. All finished. Well done!
I hope you are not too tired.

おでき
boil, furuncle
drain the pus from a boil


sound, tone, noise, murmur
What kind of sounds do you have difficulty hearing?
The machine makes a knocking noise, but don't worry.
Now, let me listen to your heart and lungs.

脅かす
I do not want to scare you, but if we don't do anything there is a possibility that you will lose your sight.

 

レヴィ=ストロースのインディアンの治療師と社会的合意

医学史を学ぶことをどのように正当化するかという問題がある。ことに現代の医療は数多くの疾病に関して優れた治療法を持つようになったことが、そこから過去のヨーロッパの医療を研究することがどのような意味を持つかという問いがある。医学史家が研究している長い時代が、ほとんど効かない治療法を用いていた。その時代は非常に長く、古代、中世、初期近代、そして1900年ごろまでは、ほとんど効かなかったと考えていい。これが20世紀のどこかの段階で治療法が発見され、治療法の前進の時期に入る。治療だけに注目すると、医学の歴史が意味を持つのは20世紀に入ってからになる。それなら1900年以前の医学史は、ことに医学部の学生にとって意味があるのかという問いである。
 
その問いに答える一つの発想が、レヴィ=ストロース構造人類学』の中の有名なインディアンの治療師についての分析である。治療の有効性を実際に効くかどうかという基準と、その治療師が社会的に信用されているかという基準の二つの組み合わせで理解している。ヴァンクーバーのインディアンにおける治療師を見ると、実際に治療できるから信頼されるのではなく、社会的な合意があるから治療への信頼が発生する。こう考えると社会的な合意を作る方法は複雑で何通りもあった。近現代に移動するまえには、科学的な結果に基づく証拠の説得力は低く、宗教や文学や哲学の力のほうが大きかった。近現代の治療法の劇的な発展は、たしかに力のバランスを移動させた。しかし、それは完全に治すことではなく、現代から死がなくなったわけではない。