レオナルド解剖図譜

レオナルドの解剖スケッチ集を読む。文献は松井喜三編集・解説『レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図集』(東京:みすず書房、2001)

レオナルドの解剖スケッチを選んで、口絵レヴェルの高画質で複製したものに、それぞれに、解剖学の専門的な見地からされている短い説明を付したもの。冒頭に置かれている松井による60ページ弱の解説は、有名なドーヴァー版についているオマリーの解説をだいたい踏襲したもの。時代順にレオナルドと解剖のかかわりを解説したもので、分かりやすくてためになる。

私は書物の価格のことは滅多に問題にしないけれども、この書物については書かせてください。この書物は1万5千円する。ドーヴァー版は、2倍以上の図版を収録し、個々の図版にははるかに詳しい説明(英語)が付され、レオナルドの手書きのメモも転記され、全体としてははるかに詳しいイントロダクションがついている。ドーヴァー版は、私が数年前に買った版についている値段で言うと26ドル95セント。みすず書房は、国際的な競争ということを考えたほうがいい。

Leonardo da Vinci, Leonardo on the Human Body, translation, text and introuduction by Charles D. O’Malley and J.B. de C. M. Saunders (New York, Dover Publications)