必要があって、六本木の森美術館で開催されている「医学と芸術」展に行く。 2月28日まで開催されています。 詳細な案内は、こちらをご覧ください。
http://www.mori.art.museum/contents/medicine/
ウェルカム財団の医学史コレクション、森美術館が集めたりコミッションしたりした現代美術を中心にした作品、そしてレオナルドの解剖スケッチ三点が展示されている。ウェルカムのコレクションからは、解剖図と障害関係を中心に選ばれていて、賢い選択だと思う。解剖図譜がそれはそれはたくさんあって、ヴェサリウスはタッチパネル式の特別展示もされていた。フラップアップ式の解剖図(厚紙をめくると人体の内部が出てくる、仕掛け絵本のような解剖図譜)もたくさんあった。ハンターの有名な胎児の解剖図譜も、実物を見るのははじめて。それから歴史上の義足・義手などのコレクションが充実していた。それ以外にも、ウェルカムの実力の一端を垣間見せる、ダーウィンの杖だとかナイチンゲールのスリッパといった「お宝」も展示されている。これらの主題に、現代美術をうまくかみ合わせて配置していて、とても知的な構成になっている。レオナルドのスケッチは、展示が非常に工夫されていて、あんなに近寄って目の前でレオナルドのスケッチを見た経験はこれまでなかった。このスケッチをしたときのレオナルドのはりつめた息遣いが感じられるような経験だった。カタログも素晴らしく、キュレイターたちが一生懸命調べて、一つひとつのアイテムについて詳細な解説をつけているが、カタログのハイライトはやはりマーティン・ケンプで、レオナルドについて碩学の実力の片鱗を発揮している。(そうか、やっぱり、頭蓋骨は二つ使っていたんだ。)
・・・って、焦点がまるでない、子供のような記事になってしまいました(笑)。
画像は、展示されていた資料より。20世紀の「人体工場」のメタファー。